注文するんだ ページ50
「席はどうする？」
「とりあえず、狩屋達に先に決めてもらって…」
「不動さん、何処に座ります？」
「なんで俺に聞くんだ？
聞かれてるのはお前らだぞ？」
席順について、円堂が古城達に尋ねるも、古城は最早隠そうともしない。
おかげで狩屋の目付きが更に鋭くなった気がした。
つか狩屋も少しは隠そうとは思わないのか。
仕方ないから1番奥の席から数えて3つ目を選ぶと
案の定1番奥が狩屋、2番目に古城が入って来て事なきを得た(……のか？)。
俺に倣ってか佐久間も俺の隣に腰掛け
円堂、鬼道、音無は俺達の後ろにある4人席を選んだ。
席が決まったら次は注文だ。
今回は最初から古城達がいるので、最初は飲まない事を暗黙の了解とし、普通にメシを食う事にした。
ま、古城達が帰った後に飲むけどな。
メシ食わしたら帰らせるか。
「野菜たっぷり塩ラーメン、モヤシましまし味玉乗せでお願いします」
「今日は嬢ちゃん食わないのか？
いつもより控えめだけど」
「いや、十分じゃね…？」
「後で替え玉頼もうかなと思いまして。
あ、チャーシュー丼と餃子20個もお願いします」
「Aさん、アナタそれ全部食べられるの…？」
まぁ相変わらず古城の胃袋はお変わりない事で。
初見の音無は古城の注文を聞いて唖然とする。
狩屋も古城の隣で驚いた顔してよ。
「何処に入るんだよ…」ってﾎﾞｿｯと呟いてた。
そんな事もありながら、各々注文を済ませると1度飛鷹は奥の厨房に引っ込んだ。
「それにしても…帝国もまた強くなったな」
「ああ。今年はそれぞれの身体能力を強化しつつ
持ち合わせたスキルを存分に生かすプレイを個々人で教えこんだんだ。
おかげで尖ったプレイが出来るようにはなったんじゃないだろうか」
「確かにいつもと動きが違ってたわね。
連携も取れていたし、ボールを奪ってからのカウンターが早かったわ」
「ああ、それは佐久間が提案した練習法のおかげだな。最近、新しい練習法を試していて……」
注文の品来る間、鬼道と円堂の席では音無も交えてそんな小難しい話を展開する。
コーチ側もお互いに情報をこうやって共有して、互いのチームの糧にしているんだ。
ま、たまに鬼道はわざと教えない時もあるケド。
あくまでライバルだからな。
一方、隣の古城達の方を見遣ると
狩屋は傍に置いてある調味料が気になったらしい。
興味深そうに手に取りながら、2人は見慣れない調味料の名前を当てっ子していた。
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