しょんぼりなのです ページ45
「それにしても最後のシュートは本当に予想外だったなぁ……相変わらず、雷門は驚かせてくれるよ」
「当たり前じゃないですか。雷門の皆さんはとてもお強いんですからね」
「…ほう？帝国学園も毎日切磋琢磨し己の技術を磨いているが？雷門に劣らず強いと思うが？」
「それはわかります。帝国の方々もお強いのです。
でも雷門の皆さんも毎日遅くまで練習していますし、自主練だって頑張ってますし……」
「頼むからお前ら、俺を挟んで競わないでくれるか？」
いけない、私としたら。
ついつい口車に乗せられて。
不動さんに言われて私と佐久間さんは口を噤むと
不動さんはまた溜息を吐いた。
かと思えば、不動さんはﾆｯと笑って再び口を開く。
「…ま、最後の最後で追い付くのは予想外だったがな。しかも新しい必殺技だなんて」
「不動さんのスパルタ特訓が役に立ちました」
「スパルタじゃねーっての。
夏合宿よりはマシだから」
「不動の特訓はハードだからな。
…お前、雷門の選手もいじめてないだろうな？」
「してねーよ。つか�爐皚瓩辰討覆鵑世茵�」
「帝国学園の方でもそうなんですね……
今度私が飴をあげに行きましょう」
「してねーって！あと帝国に来るのだけはやめろ！」
佐久間さんと一緒にちょっとからかっただけなのに
わりと本気で嫌がられてしまって、ちょっぴりショック。
私が飴をあげに行く事の何がいけないんでしょうか…
飴じゃなくて別のお菓子が良いんでしょうか。
そんな事言われたら、帝国学園での不動さんが気になってしまいます。
「…って、そんな顔するなよ」
「どんな顔ですか？」
「その顔だよ。なんか……可哀想な顔。
肩落としてしょんぼりしてよ」
「だって不動さん、帝国に来て欲しくないんでしょう？不動さんが毎日行っている帝国学園……
そんな事言うなら毎日雷門にも来て下さいよ」
「どうしろと？？」
おそらく私の感情が顔にそのまま出ていたんでしょう。
わかりやすくいじけてみたら、不動さんはまたまた呆れたように溜息を吐いた。
ﾎﾟﾝ、と頭の上に乗っかる、あたたかい感触。
そっと顔を上げると、困った顔をした不動さんと目が合い、不動さんはそのまま続けた。
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