試合終了なのです ページ44
結果、2-2の引き分けで試合は幕を閉じました。
後半戦序盤に点を取ったはいいものの、また点を取られ雷門にちょっと焦りが見えましたが
最後の最後で剣城くんと天馬くんが新必殺技を決めてくれました。
今までの練習の成果が最後の土壇場で開花した時が1番胸アツでしたね。
今まであの2人、本当に頑張っていましたから。
葵さんによれば、練習が休みの日でも河川敷で暗くなるまで練習していたらしいですし。
それに1点目は影山くんが決めてくれたんですよ。
ちゃんと有言実行するだなんて、相変わらず優秀なのです。
「くっそーー！惜しかったなァ！！」
「まさか、あそこでフェイント掛けてくるとは……」
「新しい必殺技は予想出来なかった…」
「前よりキック力上がった？
キミのシュート、前よりﾋﾞﾘﾋﾞﾘ来てスゴかったよ！」
試合が終われば皆仲間。
特に帝国と雷門は大会でも当たる事が多いですし、そこそこ仲が良いのです。
試合は終わりましたが、グラウンドでは帝国と雷門の談笑する声が聞こえる。
中には悔しそうにしていたり、『次は負けないぞ』と意気込んでいたり、戦術とか難しい話をしていたり。
円堂監督と鬼道監督も楽しそうにお喋りしてます。
これで向こうにもマネージャーの方々とかいたら、私達もそちらとお話するんですけれどね。
帝国学園のサッカー部はマネージャー含め全員男ですし、それ以前にマネージャーはあの戦車みたいな乗り物の中でお留守番らしいので。
…まぁ、私にはお話したい相手が向こう側にいるのですが。
「不動さん」
皆が談笑しているどさくさに紛れ、私も帝国側のベンチに行って不動さんの元へ。
不動さんは佐久間さんと何やらお話していたようですが、私が来ると「おー」と緩い返事を返してくれました。
やっと今日、まともに不動さんのお声が聞けました。
ああ、やはりお話出来るのって素晴らしい。
「古城じゃないか。どうしたんだ？
わざわざこっちに来て」
「不動さんとお話しに来たのです。お気遣いなく」
「お前が気遣え。堂々と座るな」
不思議そうな顔をする佐久間さんとお話しながら、私は不動さんのお隣へ。
そうしたら早速、不動さんにツッコまれました。
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