トシノサ【不動明王】Part13 (ページ14)

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違うのです。ページ14

「此処は定番の誕生日かな？それとも生まれた時の西暦？でもAの場合は単純な数字を並べるよりも、少し遊び心を入れて来る気がするなぁ。
それに誕生日ってありきたり過ぎてすぐ分かっちゃうよね」

「いや、でも意外とめんどくさがって適当だったりして……『1111』とか」

「或いは好きな計算式の答えとか入れそうだよね。
それに彼女はサッカーに関わっているんだから、背番号とか…」

…この人達、僕を間にしてよく喋りますね。
それに全部外れてますし。

このまま止めなければ延々と続けられそうな論争に僕は早々に溜息を吐くと、2人が話している最中であるにも関わらず、スマホの暗証番号を打ち込んだ。

すると皆帆君はすぐに気付いて、まだ2桁目を僕が打ち込もうとした時に皆帆君が僕に尋ねた。

「…真名部君、暗証番号わかるの？」

「ええ、わかりますよ」

「えっ……………ヤバ………」

「ドン引きしないで下さい。さっきまでその暗証番号について議論していたんでしょう？」

皆帆君の質問に素直に頷いたら、何故か狩屋君に割と本気で引かれてしまいました。

そんな顔で見ないで下さい。
ただ前に聞いただけなんですから。

彼女は自分の誕生日の月と日付を分けて素数で割り
その素数を4桁の暗証番号として使用しているのです。

彼女の誕生日は丁度素数で割って並べると4桁になりますからね。
前に誕生日を暗証番号にしていたのを僕が指摘してから、この暗証番号にしたんでしょう。

考えたら案外単純な方法なので、僕以外に教えていないといいのですが。

話しながら暗証番号を打ち終え、そのままロックが開くと思っていたのですが、スマホが1回震えただけで開く事はありませんでした。

「………あれ？」

「開かない……ね」

「なんだ、知らないんじゃん」

「い、いえ…この間までは確かにこの番号だったはずなのに…！」

「変えたんじゃない？彼女って結構気分屋だし。
それに定期的に番号変える人だっているんだから」

「だとしたら……なんです？生まれた西暦と誕生日の足し算…？それとも引き算ですか？」

「誕生日に限った話ではないと思うよ、真名部君」

ロックが開かなかった事に思わず動揺してしまう。
確かに、彼女の暗証番号の求め方を聞いたのは結構前ですし、その間に番号を変えるのは無い話ではないと思いますが……

あまりスマホを触らない彼女がわざわざそんな事するんでしょうか。