△リボンが184こ▽ ページ40
洗濯機に水が溜まると、真名部は洗剤を入れ、十分に溶かすと、真名部は恐る恐る掛布団を洗濯機の中に入れた。
本当なら洗濯用のネットが欲しい所だが、この家には無いとの事なので丸めてそのままだ。
生地が傷まない事を願いながら何とか入れると、ボタンを操作して洗濯機を回した。
「ふぅ……」
「ちゃんと綺麗になるかなー?」
「なりますよ……多分。
そうしたら、こちらもニオイを気にせずねむ……
ね、寝るのが楽しくなりますね!」
「そうだね!きっと幸せな夢がいっぱい見られるよ!」
一緒にリビングに向かいながら適当に誤魔化す真名部だったが、Aはそんな事に気付かず、寧ろ楽しそうに笑いながらそんな事を告げる。
子供のようなその発想に真名部は呆れた後に愛おしさを覚え「見られたらいいですね」と笑うとAは大きく頷いた。
「……あっ、でも乾かす場所はどうしましょう……
2階にベランダってありません…よね?」
「べらんだ?」
「えっと……家の外に出ている部分、って言うか…
でも家の内側で、柵とかで囲ってあって……」
「家の外なのに…家の内側なの?」
「な、なんて説明したらいいんでしょう……」
布団を洗ったらいいモノの、乾かすスペースの事を考えておらず、Aに説明を求められても真名部はなかなか彼女にも分かりやすいように噛み砕く事が難しかった。
とは言え部屋数もあまりないこの家の間取りは、母親の寝室以外なら既に真名部の頭の中に入っていた。
その間取りの記憶から考えるに2階にはベランダは無かったはず。
となると干せる場所は……と真名部はおもむろにリビングの窓の方を見遣る。
常時カーテンが閉められている窓。
そのカーテンを開いても広がる光景は空ではなく、隙間なく貼られた黒いガムテープ。
特に鍵の部分には何重にもガムテープが重ねられ
何がなんでも此処から外に出させないように封印しているようにも見える。
此処から外に出られれば、布団を乾かせるスペースが確保出来るだろう。
ガムテープも剥がせば良いだけなので、そんなに難しくは考えなかった。
剥がすのは骨が折れる作業かもしれないが。
ただ、真名部がどうしても気になるのは
何故、そうまでしてガムテープで窓を塞ぐのか、だった。
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます!そうですね、それですね(´・ω・`)早速直して来ます〜! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー[△リボンが181こ▽]の[鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた]のところの[鼻をつかれで]になってますが、[鼻を突かれて]なのでは? (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ