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△リボンが175こ▽ ページ31

「「いただきます」」



2人の揃った声が響く。

真名部は左右非対称になった割り箸を使って、ムニエルにした魚の身を解していたが、その視線はAに向かっていた。


Aはフォークを使って人参のソテーをチョンチョンとつつき、突き刺し、口に運んだ。

モグモグと咀嚼して、パッと目を輝かせる。
その時に真名部と目が合い、真名部は反射的に背筋を伸ばすと、Aは噛んでいた人参を飲み込み、そうして弾けるような笑顔を浮かべた。



「まなべ!コレあったかくておいしーよ!」

「そ…そうですか。……良かった」



味付けについては少々不安だったが、彼女にも受け入れられる味だったようだ。

『美味しい』と言われて真名部は胸を撫で下ろす。
そうしている間に彼女はあっという間に人参のソテーを完食してしまった。


次に彼女が食べようとしていたのは魚。
コレもまたつついて、どう食べようか考えあぐねているようだったが、やがてコレも人参のように解すことなくフォークで突き刺した。

真名部は思わずギョッとしたが、注意する間もなく彼女は魚に1口かじり付き、またパッと表情を明るくさせた。



「これもおいひー!ふわふわしへう!!」

「た…食べながら喋るのは御行儀が悪いのでやめましょう。……あと、そうやって食べるのも」

「んぅ?」



真名部に言われてAは咀嚼しながら、フォークに突き刺した魚を1度引き抜いた。

でもやはり食べ方がわからないのだろうか。
1口齧った魚を見つめたまま、まるでハムスターのように一瞬咀嚼さえも止まってしまい、真名部は苦笑いを浮かべる。


「こうですよ」と真名部は箸を使って魚の身を解す様を見せてやると、Aもフォークを使って上から押し潰すようにして魚の身を解した。



「(…まぁ、ちゃんと解れているので良しとしましょう。……少々汚いですが)」

「まなべ、こう?あってる?」

「ええ、あっていますよ。
あと魚には骨があるので気を付けて下さいね。
喉にでも刺さったら大変です」

「骨?それって…なんか細くて固かったやつかな?」

「……アナタ、今骨ごと食べましたね」



初めて2人で作った、久々のまともな食事は、真名部にとってはあたたかく、Aにとっては新鮮で。

誘拐犯と被害者という関係でありながら
真名部はこのひと時の平穏に安らぎを感じ
何かが胸の奥で満たされたような気がした。

△リボンが176こ▽→←△リボンが174こ▽



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*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます!そうですね、それですね(´・ω・`)早速直して来ます〜! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー[△リボンが181こ▽]の[鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた]のところの[鼻をつかれで]になってますが、[鼻を突かれて]なのでは? (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月5日 3時

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