△リボンが148こ▽ ページ4
一方その頃、真名部を探していた皆帆達の調査は早々に難航していた。
それもそのはず。彼等は警察でなければ探偵でもない。単なる一般市民。
メディアの情報と事件が起きた近隣に住む住民の聞き込みだけでは集まる情報は少ない上に有力なモノはほとんど無かった。
1度、真名部の両親にも話を聞きに行った事があったが、やはり彼の誘拐は唐突の事だったので、両親も何も分からずじまい。
真名部の居場所の特定どころか、犯人の足取りさえも掴めず、彼等の苦悩は続いた。
「くっそ…!一体何処に行っちまったんだ、真名部は…!」
数日の調査も虚しく、何もわからない状況が続き
九坂は遂に机の上に拳を振り下ろす。
そんな九坂を松風は宥めるも、気持ちは皆同じだ。
特に真名部と1番仲の良かった皆帆が1番強く、表情にまで焦りの色が浮かんだ。
「探す範囲、広げてみた方がいいんじゃないか?
車使って逃げた可能性もあるし…」
「そうなったら一体何処まで探しゃいーんだよ?
真名部が攫われてから何日経ったと思ってる?
車移動だったなら、その間に一体どれだけ離れられると思う?」
「もしかしたら何処かに捕まってるんじゃなくって、車で移動し続けてるのかも…!
だから居場所が特定出来ないんだよ!ずっと移動してるから!」
「そうなったらもう本当に追えないぞ、俺達じゃ。
車の免許もまだ持てないし、大人の力を借りるしかない」
「ば、バイクなら知り合いに運転出来るヤツいるし…ソイツの力を借りれば…!」
「バカか。どちらにしろ探索範囲絞らないと膨大な距離をドライブする事になるんだぞ。
そんな無謀な事に手を貸してくれるヤツなんかいねーよ」
「っ…ならどうすればいいか教えてくれよ、瞬木っ!そんな事言うなら、少しはなんか案があるんだろ?!」
「く、九坂!落ち着いて…!」
目を吊り上げながらガタッと椅子から腰を上げると九坂を再び松風は宥め、反論しかしない瞬木にも一言告げる。
しかし瞬木は腕を組んで眉間にシワを寄せるばかりだった。
九坂も何とか椅子に座り直したものの、その顔は文句を言いたくて堪らないらしい。
「どうする皆帆?調べる範囲、広げてみる?」
「…いや、」
2人が言い争う中、ずっと顎に指を添えて考え込んでいた皆帆。
松風はそんな彼に尋ねると、皆帆は視線を机に広げた地図に落としたまま首を横に振った。
「真名部くんは恐らく誘拐された現場の周辺にいる。だからもう少し、この辺を調べてみないと」
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*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます!そうですね、それですね(´・ω・`)早速直して来ます〜! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー[△リボンが181こ▽]の[鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた]のところの[鼻をつかれで]になってますが、[鼻を突かれて]なのでは? (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
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