△リボンが172こ▽ ページ28
その後も引き続き包丁の使い方についてAにレクチャーしながら、下準備に取り掛かった。
Aは教えた事はちゃんとやってはくれるのだが、何分勢いがあるので危ない場面が何度かあった。
そのせいで皮むきは全て真名部がやる事になったが
それでも何とか人参半分を輪切りにする事に成功し、真名部は1つ息を吐いた。
「(人参1本でコレですか……やはり彼女に包丁を使わせるのはやめた方が良かったでしょうか…)」
「まなべ!ニンジン切り終わったよ!次はどうするの?」
もう既に疲れた様子の真名部にAは無邪気な笑顔を向けながら首を傾げる。
その片手には包丁がしっかりと握られ
周りも確認せずブンブン振り回すものなので、真名部は改めて包丁の扱いを注意した。
「……とりあえず、その人参はソテーにします」
「そてー?」
「えぇっと……炒めるんです。
メインに添える用にと思って」
「いた……める?めいん……?そえ…る?」
「………とりあえず、一旦ボウルか何かに入れておきたいのですが」
「ボール?ボールは無いよ、まなべ……
昔はあったけれど、穴空けて壊しちゃったの」
「いえ、そのボールではなくて、その……
……いいです、自分で探します」
彼女の料理の知識は初心者なんてものではなく
真名部は頭が痛くなった。
一つ一つ丁寧に教えるとなるとかなりの時間を要するだろうし、彼女も一度にそんなに覚えられるはずも無い。
この家はやはり普段から料理をする習慣はほとんど皆無に等しかったんだろう。
最初に調理器具を確認した時だって、必要最低限しか無かった上に新品のように変に綺麗な物もあったくらいだ。
そんな家でろくに何も教えられずに育ったのであれば、簡単な料理用語さえもわからないのも頷ける。
「(とはいえ、何も知らな過ぎなのですが…)」
「まなべー、次は何切る?お魚?」
「さ、魚は僕が切ります!ちょっと待ってて下さい!」
ボウル、またはその代わりになる物を探しながら
勝手に冷蔵庫を開くAにそう告げる真名部。
現在時刻は5時25分。
この調子でいったら、夕食を食べれるのは一体いつになる事やら。
真名部は計算して早々に溜息を吐くも
その顔は何処か楽しそうな表情をしていた。
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*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます!そうですね、それですね(´・ω・`)早速直して来ます〜! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー[△リボンが181こ▽]の[鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた]のところの[鼻をつかれで]になってますが、[鼻を突かれて]なのでは? (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
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