検索窓
今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:7,576 hit

△リボンが172こ▽ ページ28

その後も引き続き包丁の使い方についてAにレクチャーしながら、下準備に取り掛かった。

Aは教えた事はちゃんとやってはくれるのだが、何分勢いがあるので危ない場面が何度かあった。

そのせいで皮むきは全て真名部がやる事になったが
それでも何とか人参半分を輪切りにする事に成功し、真名部は1つ息を吐いた。



「(人参1本でコレですか……やはり彼女に包丁を使わせるのはやめた方が良かったでしょうか…)」

「まなべ!ニンジン切り終わったよ!次はどうするの?」



もう既に疲れた様子の真名部にAは無邪気な笑顔を向けながら首を傾げる。

その片手には包丁がしっかりと握られ
周りも確認せずブンブン振り回すものなので、真名部は改めて包丁の扱いを注意した。



「……とりあえず、その人参はソテーにします」

「そてー?」

「えぇっと……炒めるんです。
メインに添える用にと思って」

「いた……める?めいん……?そえ…る?」

「………とりあえず、一旦ボウルか何かに入れておきたいのですが」

「ボール?ボールは無いよ、まなべ……
昔はあったけれど、穴空けて壊しちゃったの」

「いえ、そのボールではなくて、その……
……いいです、自分で探します」



彼女の料理の知識は初心者なんてものではなく
真名部は頭が痛くなった。

一つ一つ丁寧に教えるとなるとかなりの時間を要するだろうし、彼女も一度にそんなに覚えられるはずも無い。

この家はやはり普段から料理をする習慣はほとんど皆無に等しかったんだろう。
最初に調理器具を確認した時だって、必要最低限しか無かった上に新品のように変に綺麗な物もあったくらいだ。


そんな家でろくに何も教えられずに育ったのであれば、簡単な料理用語さえもわからないのも頷ける。



「(とはいえ、何も知らな過ぎなのですが…)」

「まなべー、次は何切る?お魚?」

「さ、魚は僕が切ります!ちょっと待ってて下さい!」



ボウル、またはその代わりになる物を探しながら
勝手に冷蔵庫を開くAにそう告げる真名部。

現在時刻は5時25分。
この調子でいったら、夕食を食べれるのは一体いつになる事やら。


真名部は計算して早々に溜息を吐くも
その顔は何処か楽しそうな表情をしていた。

△リボンが173こ▽→←△リボンが171こ▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定タグ:真名部 , イナギャラ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます!そうですね、それですね(´・ω・`)早速直して来ます〜! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー[△リボンが181こ▽]の[鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた]のところの[鼻をつかれで]になってますが、[鼻を突かれて]なのでは? (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月5日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。