△リボンが163こ▽ ページ19
「じんくん!この服、どう思う?
すっごくステキだと思うの!まるでお姫様みたいで!」
「ねぇねぇじんくん!この服見てみて!とってもカワイイ!ヒラヒラしてて魔法使いみたい!!」
「じーんくーん!じんくんみたいな服見つけたーー!!この服どう?私に似合うと思う?」
しかし真名部の心配とは裏腹に、Aは頻繁に真名部のいる所にやって来ては見つけた服を真名部に見せてくれた。
それは心配していた真名部としてはいいのだが
あまりにもその頻度が高く、途中で真名部は思わず呆れてしまった。
ショッピングモールにいた時はだんだん離れて行っていたのに。
どうやら真名部の言葉はちゃんと届いていたらしい。
自分が言った手前、無下に扱う事も出来ず
真名部は適当に相槌を打っては次に彼女がやって来るのを待っていた。
「(……そう言えば、そろそろ時間が危ういでしょうか)」
そんなやり取りをしている内に、早1時間。
そろそろ帰らないと、雷門中の下校時刻になってしまう。
とは言っても3時と少しなのでまだやや早いとは思うが、真名部はどうしても雷門中の生徒に自分の存在を知られたくはなかった。
不安と焦りが真名部を急かし
真名部は次に彼女が来た時にその事を告げようと考えていると、「じんくん!」と彼女の呼ぶ声が聞こえ、彼女はまた違う服を持って来て真名部の前にやって来た。
「みて〜!この服!ワンワンの服!
でもお顔が変なの!すっごく面白いよ……」
「あの…選んでいる所、急かしてしまって申し訳ないのですが」
犬のプリントがされたTシャツを持って来て、Aはクスクス笑いながら楽しそうに話していたが、その言葉を遮って真名部は申し訳なさそうに口を開くと、Aは途端に口を閉ざした。
「なぁに?」と首を傾げるので、真名部は遠慮なく続けた。
「そろそろ帰らないと……その、危ないかと」
「何が?」
「えと……先程、お話しましたでしょう?
僕の友人がこの近くの学校に……」
「……あ!そっか!そうだったよね!」
キョトンとするAにまさか忘れているのかと、真名部は説明しようとしたが、その途中で思い出したのか、Aはパッと顔を上げて掲げていた服を下ろす。
そんな彼女に「決まりましたか?」と真名部は尋ねると、Aは「ちょっと待ってて!」と言って駆け足で何処かに行ってしまった。
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*IJu*(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます!そうですね、それですね(´・ω・`)早速直して来ます〜! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー[△リボンが181こ▽]の[鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた]のところの[鼻をつかれで]になってますが、[鼻を突かれて]なのでは? (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
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