△リボンが159こ▽ ページ15
手は繋いだがなるべく縦に並ぶようにして店内を進む。中は見た目とは裏腹に奥行きがあり、想像するよりも品数がずっと多かった。
流石にあのショッピングモールとまでは行かないが、悪くは無いと真名部は思った。
道中に八百屋やパン屋などもあったので、ソレと合わせて買えばそこそこ好きな物を選択出来そうだ。
冷蔵庫も使えると知り、更に選択肢は増えただろう。
時間が無い中、つい真名部は何を買おうか迷ってしまっていたが、その間Aがじっとしているはずもない。
「じんくん！向こうのお魚さんまだ動いてる！
近くに川があるから、お水の中に戻してあげようよ！」
手を繋いでいるから勝手に何処か行く事はないものの
彼女の気持ちはもう既に1番奥の鮮魚売り場を見ていた。
彼女の指差した向こう側には確かに鮮魚が売っていた。
大量の氷の上に乗った魚達。
その内の1匹が微かにエラを動かしていた。
「……無理ですよ。あの様子じゃ川に着く前に死んでしまいます」
今にも死に絶えそうな魚の姿を真名部は一瞥してから
なんでもないようにそう言った。
それにあの魚はどう見ても海の魚。
川と海では水質が異なるので、もし生きていたとしても川に流せば死んでしまうだろう。
もうこんな質問は慣れたもので、真名部も長々とそう説明するのが面倒なのでそこは敢えて言わなかったが
Aは「そうなの？」と首を傾げて真名部を見遣った。
「じゃあどうやったら死なないの？
どうやったらあのお魚、助けられる？」
「無理ですよ、救えません。
そもそも、食べられる為にあそこに並んでいるんですよ」
「……まだ生きているのに？」
「その方が美味しいんですよ。
魚は鮮度が命って言いますし。
あの魚は活きがいいんじゃないでしょうか」
魚の話をしているが、真名部の興味は野菜に向かっていた。
真名部は簡単な物なら自分で作れる方なので、何か作ってあげようと思っていた。
なので野菜をよくよく見比べながら、何を作ろうか考えていたら、ふとAから元気な声がしない事に気付いて真名部は顔を上げる。
Aはじっとその魚を見ていた。
息も絶え絶えのその魚に。
しかも、その顔は警備員を殴った時のように目をｶｯと見開いていて、真名部は持っていた人参を思わずカゴの中に落としてしまった。
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＊IJu＊(プロフ) - ルナストーンさん» 御指摘ありがとうございます！そうですね、それですね(´･ω･`)早速直して来ます〜！ (2020年12月17日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - あのー［△リボンが181こ▽］の［鼻を突かれで、真名部は毛布の中に顔を引っ込めた］のところの［鼻をつかれで］になってますが、［鼻を突かれて］なのでは？ (2020年12月17日 16時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
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