探偵フクロウと独りのハイエナ Part15 (ページ36)

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▼転倒ページ36

天馬「……っ？！」

次の瞬間、オズロックはまた天馬を追い掛けると、今度は横からスライディングでボールごと足を弾いた。

予想もしない行動に天馬も虚を突かれ
更に不意な攻撃に天馬の身体が後ろに傾く。

しかも運悪く頭から落ちたのか、天馬は鈍い音と共に地面に倒れても、起き上がる様子は無く
ベンチで見ていた私は思わず腰を浮かせ、空野も心配そうな顔をして天馬の方を見遣る。

剣城「天馬っ……？！」

天馬の異変に皆は彼の周りに集まり
空野はすぐに救急箱を持って天馬の元へ。

遠目からだからよくはわからないが……
アレ、完全に後頭部打ったよな？

気絶、だろうか……？
オイオイ、病院沙汰だけはやめてくれよ……

信助「だ、大丈夫かな、天馬……」

市川「最悪、これ以上試合には挑めないかもしれませんね……」

A「頼むから変な頭の打ち方はするなよ……」

市川が不穏な事を言うものだから、不安が更に募って行く。

天馬が目覚めるまでの数分間が、まるで何時間のようにも思えた。

－－－

天馬が目覚めてからも試合は続行された。

頭を強く打って気絶してたみたいだけど、本人は起きた後「大丈夫」って言ってたんだって。
空野が不安そうな顔しながらそう言ってた。

…大丈夫かな、天馬。

さっきの転び方、明らかに後ろから頭打ってるし…
そのせいで気絶しちゃったんでしょ？

それ以前に、前半のベルセルクレイで消耗した体力が完全に回復したって感じでもなさそうだし……
無理とかしてないといいけど。

不安に思いながらも、私はベンチで試合を見守り続ける。

天馬はボールを前線の選手へ繋げようとしたけれど
剣城はマークされているみたいでパスが出せなかった。

更にイシガシが天馬に近付いて来た。
天馬もそれに気付いてさくらにパスすると、ボールは更にパスで繋がって、瞬木に渡された。

瞬木はそのまま攻め込むと、ソウルを発動。

ハヤブサの嘶きがフィールドに響き、スピードの乗ったボールがゴールへと向かう。

だが、相手のキーパーもまたソウルを発動させ
その巨体と力強い腕の触手により、止められてしまった。