▼ベルセルクレイ ページ4
試合の流れは確実にこちらにきている。
それに、あんなに圧倒されていたのに
今ではもう少しで同点。
試合はまだ前半戦。
この勢いなら逆転も夢じゃない。
それなのに、オズロック達は少しも焦った様子は見せないし、悔しがる事もしない。
全く気にしてないんだよ。点取られたってのにさ。
まるで
ヤなヤツら。
少しは動揺とかしたらどうなんだ。
そうこうしている内に試合は再開された。
キックオフはイクサルフリートから。
でも開始早々に瞬木がパスをカットした。
よくやった！とその時は思ったけれど
その後の彼等の動きに私は思わず目を見張った。
……誰も、ボールを奪いに来ない。
ボールを奪われたはずなのに、イクサルフリートの選手は誰1人としてボールを奪い返そうとはしなかった。
フツー、取られたら取り返すだろ？
コイツら本当にやる気あるのか？それとも舐めプ？
しかも彼等はポジションからそれぞれ動き始めるし。
ボールを追い掛けないでさ。
その様子は、チーム全体で何かを…描いている？
なんか予め決めてンのか、それぞれの場所に立ち止まって……
……アイツら、これから何をしようとしてんだ？
ｵｽﾞﾛｯｸ「思い知るがいい…！
『ベルセルクレイ！！』」
オズロックがその場で高らかに呪文のように叫ぶと
フィールドに突如、巨大な五芒星の魔法陣が現れた。
イクサルフリートの連中が描いていたのは五芒星だったのか…！コレは…必殺タクティクスか？
どんなタクティクスだろうかと思ったが、フィールドで起こったのはそれだけだった。
ボールを奪う事もなければ、陣形が変わったり、アースイレブン側が不利になるような事にもならない。
それどころかイクサルフリートの選手はそこから一歩も動かず、ただフィールドに魔法陣が現れただけ。
『なんだ、大した事ないじゃん』と思ったのも束の間、
天馬「これは…？
………っ……！！？」
直後、天馬は胸を押さえて突然苦しみ出した。
天馬だけじゃない。
さくらも井吹も……和人も。
フィールドにいるアースイレブン全員が、天馬と同じように胸を押さえて苦しみ出した。
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