探偵フクロウと独りのハイエナ Part15 (ページ30)

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▼限界ページ30

信助「離すもんかぁあああっ！！」

だが直後に西園は再び動き出した。

今にも蹴られそうなボールに飛び付き、抱え込むようにしてキャッチ。

でも相手選手の足は止まらない。
ボールを蹴ろうとした足がそのまま西園へと向かう。

あのままじゃ、西園の頭が蹴られるっ…！

思わず私は目を瞑ったけれど、ボールを蹴ろうとした選手はｷﾞﾘｷﾞﾘの所で踏み止められたようだった。

西園の頭まであと数cmという所で足を止め
西園はボールをグラウンドの外に弾いた。

そこで西園も本当の限界が来たようで、そのまま倒れてしまい、中断のホイッスルが鳴り響いた途端、ベンチで休んでいたアースイレブンの皆がグラウンドに駆け寄って来た。

皆帆「Aっ…！！」

A「…おー…かずと……」

和人は真っ先に私の所に来て、今まで見た事がないくらい心配そうにしてよ。

そんな顔させたくないから私はそのまま1人で立とうと思ったんだが……今までのダメージが蓄積してんのか、足に力が入らなかった。

皆帆「無理しないで、Aっ…！
ほら！僕の肩に掴まって！」

A「はは……お前、私より力無いのに支えられんの？つーか…別に。助けがなく、ても……立てるし」

皆帆「もう…！こんな時にまでそんな事言って…！」

なるべく強がってみせるけど、誰が見てもﾊﾞﾚﾊﾞﾚだろうな。まず足に力が入らないんだ。

和人もこれには呆れたような顔をして、有無を言わさず私の腕を自分の肩に回した。

仕方なく和人の肩を借りて、引きずられるようにベンチに戻る。

こんな状態なのは私だけじゃない。
ギャラクシーイレブン全員が今の闘いでまともに動けなくなっていた。
アースイレブンの皆がそんな彼等を次々にベンチへと運んで行く。

流石に今ので私達も消耗させられたみたいだな……

これじゃ、ギャラクシーイレブンもこれ以上試合に出るのは難しいだろう。
でも、まだ1点差が開いてる。

だがさっきのシュートのおかげか、私の心はそこまで沈まなかった。
散々弄ばれた相手にソウル出してシュート決めたんだ。一矢報いたって感じで、決して気分は悪くはなかった。