▼救世主 ページ14
信助「あ…アレはっ…！？」
不意に聞こえた鳴き声に頭上を見上げると、グラウンドの上空に突如、2匹のピクシーが現れた。
白いピクシーと黒いピクシー。
白い方はきっと今まで私達と一緒にいた子だろう。
でも黒い方は初めて見た。
ピクシーって仲間がいたのか……しかも色が違うだなんて。
その2匹のピクシー達はオズロックの周りを飛び回ると、イクサルフリートの真上に移動。
互いに顔を見合わせて頷くと、それぞれ片手を突き出した。
途端に2匹を中心に光り輝き、眩い光がフィールドを包み込む。
眩し過ぎて目も開けられなくて。
私達は思わず目を瞑る。
だがそれは一瞬の事で、すぐに光は収まっていき
同時にアースイレブンを苦しめていた魔法陣が消えて無くなった。
消えた……？魔法陣が、消えた……！
つまり、皆は……！
魔法陣が消えた事により、アースイレブンは解放されたようだった。
だが皆、今ので大分体力持ってかれたな……
かなり疲れてるようだし、息だって切れ切れだ。
中には倒れ込んでしまったヤツもいる。
丁度その時タイミングで、前半終了のホイッスルが鳴り響いた。
その音に内心安心した私は思わずその場に崩れる。
珍しく乱れた息を整えながら、地面に手を付いて歯を食いしばった。
………全く、役に立たなかった。
ソウルが暴走している今、ソウルを使えない私なら少しは役に立てると思ったのに……
実際はどうだ？1点も入れられないどころか、更に2点追加された。
ベルセルクレイの影響で本調子じゃないってのもあるが………
……いや、例えいつも通り動けたとしても結果は変わらなかっただろう。
あんなに点を取るって豪語したのに、笑えるよな。
ただただ体力減らされただけじゃん。
余計な事しかしてない。
ああ、もう。腹立つ。
自分にもイクサルフリートにも。
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