世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ6)

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辻 609 ページ6

「…………」

「…思っていたより、話のスケールが大きいんだね…」

懇願するフェイに瞬木と皆帆は顔を見合わせ
今一度聞いた俺も目を白黒させる。

きっと事態は思っているより一刻を争うのだろう。

敵は未来からやって来て、好きな時代に移る事が出来るのだから。

彼等の目的は《イドラのサーカス》を消す事。
つまり、イドラ達の抹消だ。

先程、体験したように彼等の存在を無かった事にしようと企てている。

それは俺も例外ではない。

アルファが言っていた。
俺を消して〝本来の俺〟を残すって。

アイツらにとっては俺も邪魔な存在なのだろう。

でも急にそんな事言われても、瞬木達は納得してくれるのだろうか…？

俺は今さっき、非現実的な事を体験したばかりだから流石に信じざるおえなかったが、瞬木達は違う。

とはいえ先程、目の前で未来の瞬木が現れ、未来の皆帆と共に姿を消した。

姿形は多少異なりつつも、自分がもう1人いたんだ。
A達の話も少しは信憑性が増すだろうが……

「………ふぅん」

暫しの沈黙の後、瞬木が生返事を1つ。

興味が無さそうな返事だったが、その瞳はしっかりとフェイを捉え、そしてAを見遣る。

途端に瞬木は微かに眉を顰めた。

まるで何かを訝しむような、睨むような。
その視線に気付いたのか、Aも表情を改めて瞬木を見つめると、瞬木は少しの間を空けてから溜息を吐いた。

「………いいだろう。話だけでも聞いてやる」

「ほ、本当…！？」

「実際に手伝うかは別の話だ。
こっちはこっちで団長が連れてかれたんだ。
場合によってはそっちの件を優先する」

少し怪しかったが、どうやら話だけでも聞いてくれるようだ。

これにはフェイも嬉しそうに頬を綻ばせ
Aもﾎｯとしたように胸を撫で下ろした。