世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ49)

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辻 652 ページ49

「オラ、こんがらがってきたァ……」

「さっきまで音沙汰無かったのに、急に円堂さんが現れ始めた…しかも大量に……」

トーブが頭を抱えるのも無理はない。

こんな一気に円堂さんの目撃情報が別々の場所で出て来るなんて。

誰かの悪戯かとも思いたいが、現状でそんな悪趣味な悪戯を仕掛けるヤツなんていないだろう。

ドッペルゲンガー……ってワケでもないだろうし。

『ッ……やられた。先手を打たれたよ！
きっとコレはヤツらの仕業だ！』

この出来事に優一さんも若干焦った様子でそう言った。

〝ヤツら〟と言われ、思い浮かぶのはただ1人。

あの無機質な瞳の少年、アルファ。

「ヤツら、って……まさか…！」

『ああ……前にAちゃん達が接触した事を受けて、今回も邪魔してくると思ったんだろうね。
偽物の円堂さんを散りばめて、本物を見つけさせないつもりなんだ』

『公には公開されてないけれど、未来では他人にそっくり成り代われる変装技術が確立されているから、ソレを使っている可能性が高いと思う』

「おエラいさんは今も昔もホンット変わらないなっ…！」

フェイの話にAは舌打ちをかますと、苛立った様子を露わにさせた。

フェイの話が本当なら、少なくとも今動いているチーム数分……7人はいる。
やはり敵はアルファ1人だけではないようだ。

その中に本物の円堂もいるかもしれないが……可能性は低いだろう。

きっとヤツらはわざと俺達の目につくよう行動し、見つけさせて本物の居場所を撹乱するのが目的だ。

『どーすんだ、A？
多分、俺達が追ってるのは偽物だぜ？
それでも追うか？』

「………いや、もうこうなったら接触して。
とっ捕まえて私の所持って来て。物を壊したりしなければ好きに捕まえていいから」

『ホントに好きにしていいのっ？！』

『天馬やめろ。声が大きい』

『A、流石にソレは過激過ぎない…？』

「相手が先に手を打つのが悪いんだよ。
あと円堂さんに成り代わるなんて許せないっ！」

『大半の理由がソレだね、A』

苛立ちからか、やや乱暴な物言いで彼女は指示すると、通信機からﾊﾞﾗﾊﾞﾗに了承の声が返り、その後通信は途絶えた。

直後にAは溜息を吐き、不機嫌そうに顔を顰める。

憧れの『イナズマカーニバル』の円堂さんの偽物が現れた事が相当頭にキているようだ。