辻 651 ページ48
「えっ……？」
駆け出そうとしたが再び足を止め、俺達は通信機の声に耳を傾ける。
声の主は…恐らく菜花だ。
瞬木と組んでいるはずだが……
『中央の広場の近く！銅像の前に立ってるやんね！』
「えぇっ…？！」
しかも菜花の報告はフェイが言っていた所とは全く違う場所で、俺達は困惑の顔を見合わせた。
移動した、というワケでもなさそうだし……
となると、単なる見間違い…？
「……ホントなの、瞬木？」
『ああ、ホントだ。今�牘騰瓩妊沺璽�ングした所だ』
「ちょっと？能力もソウルも使っちゃダメって言ったはずだケド？」
『おっと、悪いな。�牘騰瓩�滑って』
「�牘騰瓩�滑るワケないでしょっ！
いや、今はそんな事よりもっ……！」
瞬木のすっとぼけた言動にAは若干苛立ちつつも
すぐ切り替えて「フェイ！」と1番最初に円堂さんの目撃情報をくれた彼の名前を呼んだ。
するとフェイは次にAが言いたい事を察して
Aが尋ねる前に、今これを聞いている皆が気になっていた事を答えた。
『円堂さんならまだ追ってるよ！
少なくとも表には出ていないはず！』
『どうなってるやんね…？
2つの場所で同じ人が同時に存在しちゃってる…？』
「いや…もしかしたら見間違いってセンも……」
『ねぇねぇA！俺達も見つけたよ！
�狡觜餃瓩里垢阿修弌�』
「はァっ？！」
フェイのチームと菜花のチームで同時に現れた円堂さん。
その事についてまだ話し合っている最中に
松風から新たな目撃情報が。
しかもまた全然違う場所だ。
これにはAも声を上げた。
『どうなってんだよ……俺達も今見つけたぞ！
壁の出入口付近だ！』
『今さっき、大きな建物の中に入って行くのが見えたよ！でも偽物の可能性の方が高いかな…？』
『人混みに紛れているが、一応こちらも見つけたぞ。
今、井吹の鼻を頼りに後を追っている』
『A〜、どうなってるの〜？
私達の所でも見つけたんだけど〜！』
更に続々と円堂さんの目撃情報が相次いだ。
しかもやはり別々の場所で。
これにはAも「どうなってんの…？」と零し
トーブも頭を抱えて首を捻った。
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