世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ42)

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辻 645 ページ42

「俺達はこの街の奥にある廃墟の地下で暮らしてるんだ。で、普段は路地裏とか目立たない所で活動してる」

「活動…？」

「カンタンに言うと悪い輩を懲らしめて回ってるんだよ。……って言っても、俺達も店から物盗んだりとかしてるから、あんま変わんない気がするんだケド」

「まぁ、俺達は無闇矢鱈に人襲ったりしてないから。
寧ろ、困ってたら助けてやってるもんね」

「円堂は正義感が人一倍強くてな……困ってる人間がいたら放ってはおけないんだ。
でも表立って行動したら〝帝国〟の奴らに見つかってしまう…だから、なるべく気付かれないようにやってるんだ」

「〝帝国〟の奴ら、ほんっと～に厄介でさ。
ちょっとでも気に入らない事があるとすーぐ連行されるんだ。それで連れ去られた連中は〝教育〟されるんだって」

「〝教育〟……ねぇ」

「実際されてんのは拷問……いや、ただ甚振りたいだけだよね。日頃の鬱憤発散！って」

「運良くホントの意味で〝教育〟されたとしても、そのまま戦地送りだし…連れてかれたが最後、もうこの街に戻って来る事は無いって噂だぜ」

「うわぁ……今も昔も上は考える事は一緒かぁ……」

その後、俺達は風丸さんに案内されて、彼等が住処とする廃墟を目指した。

そこは街の最深部、壁沿いに立つ目立たない建物で
元は教会か何かだったのだろう。
遠目からでもわかる十字のシンボルが屋根のてっぺんに立っていた。

その教会に向かっている間、3人からこの街について色々と聞かされたが……どうやら想像以上に無法地帯となっているらしい。

Aもその話を聞いている間はずっと眉を顰めていた。

「ところで…Aとか言ったか？
お前、さっきの〝手品〟とやらはどうやったんだ？」

「あー、それはちょっと……言ってもいいのかな？
うーん……簡単に言うと僕は物を創ったり壊したりするが得意なだけなんだ」

「じゃあじゃあアレ出来る？ほら、ハンカチをステッキにしたりハトにするやつ！」

「ああ、それなら出来るよ。あとで見せてあげるね」

「やりぃ～！」

「おいおい…」

そんな会話をしている内にとうとうその廃墟に辿り着き、風丸さんは「流石に中までは入れられない」と錆び付いた扉の前で足止めさせる。

Aは若干名残惜しそうにしていたが、まだ完全に信頼されているワケではないので渋々了承し
マックスと半田さんを残して、風丸さんは廃墟の中に入って行った。