世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ40)

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辻 643 ページ40

「と…ところで、風丸さん達は円堂さんが何処にいるかわかりますか…？」

まだ完全に信用されているとは思えないが、俺は話を進める為にも風丸さん達にダメ元で尋ねた。

知り合いだとするなら、円堂さんの居場所を知っている可能性は高い。
なんなら共同で生活していたりもするんじゃないだろうか。

円堂さんが狙われている以上、円堂さんを早く見つけて見守らなければ。

今の所、連絡も来ていないからきっと誰も円堂さんに関する情報も見つかっていないんだろうし……
ヤツらが仕掛ける前に守らないと。

「………」

「………どーする？」

「さぁ……？」

案の定、反応は明らかにこちらを怪しんでいるような反応だった。

3人は互いに顔を見合わせて応えを決め兼ねているよう。

でもさっきと違って真っ先に否定しないのは有難い。
何せ、あまりにも非現実的な話だろうから。

「時間が無いんだ。このままじゃ円堂さんが危ない。
円堂さんだけじゃない、場合によってはキミ達の未来にも影響が生じるかもしれない」

「俺達の…未来？」

「円堂さんは歴史に結構大きな影響を与えた人物の1人だからね。そんな人が本来と違う道を辿れば、そりゃ周りも大きく変わるんだ。

それに円堂さんは『イナズマカーニバル』のリーダーだからね…！彼がいたからこそ組織が成り立ち、彼がいたからこそ伝説とまで謳われた。
彼が『イナズマカーニバル』を作らなければ当然存在しないし、今後の歴史にも大きく関わるんだ…！
例えば、この後『イナズマカーニバル』の……」

「A…！あ、あんまり未来の事は言ったらまずいんじゃないか…？」

話している内に熱でも入ったのだろうか。
このままじゃ、これからの未来の話も全部全部話してしまいそうで。

そうなる前に俺は彼女にそう耳打ちすると、Aはﾊｯと我に返り、咄嗟に口元を片手で覆った。

おかげで風丸さん達には不審に思われたが、彼女の熱の篭った話に興味を持たれたのか。
それとも自分達にも影響すると言われたからか。

訝しげだった彼等の瞳は少しずつ解れ、警戒も薄れて来ているような気がした。