辻 641 ページ38
「おいおい、風丸…まさか、今の話マジメに信じちゃったのか？」
風丸さんの一言に茶髪の少年が目を丸く見張りながら首を傾げた。
だが風丸さんの瞳には一切の揺らぎは無く、俺達から目をそらさなかった。
�爛泪奪�ス�瓩�ﾊﾟﾁﾊﾟﾁと目を瞬かせ、そうして溜息を吐くと「えぇ……」と声を漏らす。
こちらもこちらで驚いているようで、トーブは素っ頓狂な表情をし、Aも目が開ける状態ならば目を見開いて驚きの表情を浮かべていただろう。
かく言う俺も内心、真剣に聞いてくれるとは思わなかったから、思わず呆然としてしまった。
「まだ信じたワケじゃない。
ただ……嘘を吐いてるようには見えなくて」
「また始まったよ…いつものお人好し。
一体誰に似たんだか……」
「明らかに嘘に決まってるでしょ？
未来からキターとか、歴史をマモルーとか。
何処のSF小説だよって話」
「だから話だけでも聞くんだろ？
その後の事は……まぁ、聞いた後に決めよう」
「あーもー……そんなんで今までよく生き残れたよね……」
予想外の話の流れに俺はトーブを、そしてAの方を見遣る。
トーブはもうワケがわからないと言いたげに眉を顰め、Aも驚いたような顔をしてオレを見ていた。
……ん？見ていた？
思わずもう一度Aの方を見ると、Aの瞳はまだ完全ってわけではないが開いていた。
どうやらさっき喰らったクシャミ爆弾の効果が無くなったようだ。
まだ目は充血していて開くのが辛そうだが、ずっと目を瞑っているよりは随分マシだろう。
「……風丸さんって、意外と優しいんだね」
「ああ…フィフスセクター内でもよくお世話になったよ。昔から変わっていなかったんだ……」
「ちぇ、折角�爛�メラ�畛箸辰得錣辰討笋蹐Δ隼廚辰燭里法帖�
「……能力使うのは異能相手だけじゃなかったのか？」
風丸さん達が話している間、こちらも小声で話していたが、オレがそう言うとAは思い出したように「そう言えば」とﾊｯと気付いたような顔をする。
自分で言ってた事、自分で忘れてるよ、この人は……
まぁ、攻撃手段として使わなかっただけ、まだマシだろう。
思い出してから彼女は白い左手で覆い隠すようにして�狒和き瓩靴討い震楸漫帖槌櫚爛�メラ�瓩鬮倏鵬��瓩掘�何事も無かったかのようにまだ話し合う3人に目を向けた。
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