世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ4)

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辻 607 ページ4

「…確かに瞬木の言う通り、Aを連れ去る理由が分からないな……しかも、わざわざ過去のAを」

「守る、とか言ってたようだけど…一体、何から守るって言うんだ？アルファか…？」

「普通に考えるならそうだよね……
でもその前の時間まで遡られたら意味無いし……」

「……」

未来の《イドラのサーカス》が、過去のイドラを連れ去った理由。

それがイマイチわからなくて、俺も思わず首を捻った。

……だが、どちらにしろ〝守る〟とは言っていたんだ。
少なくとも殺されはしないだろう…多分。

あんな乱暴な連れ去り方したヤツがいるけど。

でも少し心配だ…何処に連れて行かれたのかも、何の目的で連れて行かれたのかもわからないから。

殺されはしなくとも、死なない程度に痛めつけられたりはしない…だろうか？

未来の瞬木はどうだか知らないが、こっちの瞬木はイドラごと攻撃して来る事が何度かあったからな……

「ぅ……うぅん……」

そんな話をしていると、不意に瞬木が抱えていた皆帆の口から呻き声が漏れた。

一斉に皆視線を彼に向けると、皆帆は薄く目を開いてから、戸惑いの混ざった声で「瞬木……くん？」と目の前の人物の名前を呼んだ。

「…！皆帆っ…！」

「あ、れ……どうして僕、こんな所に……
……それに……その人、達は……」

「皆帆、お前何があったんだ…？
いつからあのニヤケ野郎の〝影〟にとっ捕まってたんだ？」

「影……そうだ、僕……瞬木君の〝影〟に捕まって……それで……」

それまでぼんやりとした瞳でﾎﾟﾂﾎﾟﾂと話していた皆帆だったが、少しずつ思い出して来たようだ。

不意に彼は大きく目を見開くと、ｶﾞﾊﾞｯと起き上がって「そう言えば！」と叫び声を上げた。

そうして瞬木の方を見遣り、信じられないと言うような顔をして続けた。

「僕、瞬木君に会ったんだ…！
ああ、いや！瞬木君って言っても僕達が知ってる瞬木君じゃないと言うか……それにもう1人の僕にもっ…！」

…きっと皆帆が言いたいのは、先程の赤いメッシュの瞬木の事だろう。