世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ22)

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ハウトゥー世界征服東 625 ページ22

「……とりあえず、ここまで来ればいいかな」

そう呟いたと同時にもう1人の隼人は、僕を締め付けていた〝影〟を緩めて、僕をようやく解放した。

ずっと首を締められ、苦しい思いをしていたので
僕はその場に蹲ると必死に酸素を求め、荒い呼吸を繰り返す。

その間に視線だけ動かして、此処が何処だか確認してみるが……見覚えの無い場所だ。

しかも薄暗い上に狭く……幾つか人の気配がする。

この感じは……囲まれてるな。
何人いるんだろう……あの隼人と和人を入れて6人はいるな。

それぞれ武器を手にしているんだろうか。
張り詰めた空気が漂う。

ようやく呼吸も整い、僕は顔を上げると
目の前の赤い隼人を睨みつけた。

「ああ、動かない方が身の為だよ。
少しでも動いたら全員でﾌﾞｽﾘ、だから」

赤い隼人は爽やかな笑顔でそう言いながら、僕の喉元に〝影〟を鋭いナイフのように突き付けた。

更に背後からも刃物を突き付けられる感覚がして
正面には猫背の和人がショットガンの銃口を向ける。

もう1人、視界の端にいる人は……隆二だろうか。

バンダナをしてなくて、ヤケに怯えた表情をしていたが、片手は僕に向けていつでも能力が使えるように構えていた。

……別に刺されようが撃たれようが構わないんだけど、隆二がいるんなら流石に逃げられはなさそう。

彼の能力は質量を変えられるんだ。
ソレで体を重くされたら忽ち動けなくなる。
あの赤い隼人がウチの隼人と同じように能力を使えるんだ。
多分、あの隆二も同じ事が出来るだろう。

それにこの部屋の外にも人はいるんだろうし
奥にもまだ2人、暗くて姿は見えないけどいるし。

……僕の団員と同じ顔してるから、抵抗しづらいし。