世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ16)

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辻 619 ページ16

「………フェイ、もしかしてコレって……」

「ああ…きっとそうだよ」

戻って早々、また新たな問題が起きてしまった。

きっとイドラの時と同じように、またヤツらが〝インタラプト〟とかいうモノを弄ったのだろう。

そのせいで《イドラのサーカス》とフィフスセクターが同盟を組んでいない世界線になっている……そんな所だろうか。

「……！？」

と、この世界の違和感に気付いたその時だ。

不意に頭上から突如、青い乗り物が現れたのは。

ソレは俺も乗って来た、あの乗り物だった。
そんなモノが突如現れたものだから、団員達は案の定驚愕し、話しているのも忘れて頭上のソレを見上げる。

「な、何っ？！あの…何アレ！？」

「馬車みたいだけど…お馬さんがいない……？」

「アレが敵って事かァ…？」

「………落とす」

「待って待って待って！ストップストップ！」

だが次の瞬間には敵意剥き出しで
瞬木に至っては〝影〟を生やして攻撃しようしたので
咄嗟にフェイが止めに行き、Aが黒い右手を突き出した。

そうこうしている間にその乗り物はゆっくりと地面に降り立ち、団員達がまだ警戒する中、乗り物の扉が開かれて、そこから1匹の青いクマが現れた。

「おおっ！皆揃っているな！」

「「く、クマぁっ？！」」

当然、乗り物から出て来たワンダバに団員のは皆、拍子抜けしたと共に驚愕の表情を浮かべた。

それもそうだろう。乗り物から動く青い色のクマが自分から歩いて出て来るなんて。しかも喋る。

更にやけに馴れ馴れしいと来ると、警戒すればいいのか困惑してしまうだろう。

「え？何…中に人間入ってる？」

「可愛い……」

「く、クマなら俺だってなれるぞ森村！」

「からくり仕掛けのクマのぬいぐるみ…？それともただの着ぐるみかな？

それにあの乗り物…馬車みたいだけど車を引く馬がいないし、しかも何も無い所から突然現れて……
これが未来の技術ってヤツかな？興味深い！」

「面白がらないで下さいよ、皆帆くん……」

突然現れたワンダバに見た事もない未来の乗り物。
興味を惹かれる者も多く、一部はまじまじと見つめていた。