世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ14)

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辻 617 ページ14

「でも、敢えてメリットを言うならば……
私達と来た方がこっちの私を見つける手掛かりが得やすいと思う。……保証はしないけどね」

「「！！」」

団員達の顔色を伺い、自信が無いのか言葉を付け足すもA。
だが今の彼女の言うメリットは団員達には魅力的な言葉だったらしい。

途端に皆は顔を上げると、一斉に彼女を見遣る。

その反応にAは微かに口元に笑みを浮かべると
「どうする？」と小首を傾げた。

「……やるに決まってんだろ」

最初にそう答えたのは、話が始まってから今までずっと黙っていた瞬木だった。

瞬木は1歩前に出ると、その鋭い眼光でAを見遣る。
心做しか睨んでいるようにも見えるがAは気にせず、寧ろ嬉しそうに微笑んで「本当？」と聞き返した。

「こっちのAの手掛かりが少しでも掴めるなら……って話だ。
だが、まぁ……断ってもアイツの手掛かりは何処にも無いし、途方に暮れるよりは動いてた方が少しはマシかと思ったまでだ」

「僕もやるよ！正直、まだ話は上手く飲み込めないけれど……でも、未来人ってやっぱり興味が湧くじゃない？
あ、勿論Aも助けるけどね！」

「当たり前です、皆帆くん！
寧ろ探究心よりも何よりもAを優先して下さい！」

「まー、Aがいない時は瞬木が団長代理だからな…団長の言う事には従うさ」

「うっほー！！何だかワクワクして来たぞ！！
みんなでそのミライジンってのを倒しに行くぞ！」

瞬木に続いてそれぞれ団員も口々に告げるが、どうやら皆協力してくれるらしい。

Aはフェイと顔を見合わせると「ありがとう、みんな」と微笑み、安心したように胸を撫で下ろす。

「はいはーい！でもそうなるとサーカスはどうするやんね？開演って明後日でしょ？」

「正確には日付が変わっているので明日、ですね。
もっと正確に言うと、現在時刻が午前1時22分なので、開演まであと…」

「大丈夫、全部終わったらこの時間まで戻してあげるから。そうしたらサーカスについては何も問題ないでしょ？」

「あ！じゃあ折角だったら館出る前まで戻してよ！
忘れ物しちゃったんだ！」

「それは後で取りに行けばいいんじゃないっスか、天馬？」

「いや、そんな事で能力使わないでくれる？」

随分と賑やかな会話が続き、Aも元々居たのもあってからかすぐに馴染み、天馬ツッコむと団員達が笑い出す。

ただ1人、瞬木だけは相変わらずの眼光でAを少し離れた所から睨みつけていた。