世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第肆幕 (ページ13)

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辻 616 ページ13

それからフェイは俺に話したような小難しい話から、ついさっきの出来事を包み隠さず、全て正直に話した。

時々、Aが言葉を挟みながらも。

目の前に立つ少女が少し未来から来たAだと言う事。

今、フェイ達のいる200年後の未来では
《イドラのサーカス》を消そうとする組織が動いている事。

ソレを止める為にフェイが未来のAと協力している事。

でもこの世界のAが未来の《イドラのサーカス》に連れてかれてしまった事。

特にフェイが200年後の未来から来たって話は驚き
イドラが連れてかれたと知った瞬間、団員達は動揺した。

中には取り乱す者もいて、すぐに瞬木や野咲が能力を使って抑えてくれたが、それでもやはり落ち着かない奴は落ち着かない。

「Aが連れてかれちゃうなんて…！」

「しかも未来の俺達がだァ……？」

「アタマ混乱しそう………」

「何してるんですか…！なら早くAを助けに行かないと！！」

「それなら、そっちのAが説得した方が確実なんじゃないかな？
未来のAの仲間なんでしょ？つまり、僕達だ。
なら、素直に話を聞いてくれると思うけれど」

「あー……ごめん皆帆。ちょっと今、諸事情で離れざるおえなくてさ。そのせいで疎遠、って言うか……仲違いしてるって言うか……」

「……？」

困惑する者、半ばパニックに陥る者、嘆く者、無謀にも助けに行こうとする者。

実に様々な反応で状況は混乱し、そんな皆を纏めようとAはﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯと手を叩いた。

途端に団員達は静かになると、Aは1歩前に出る。

そうして両手を広げると、団員達に訴えた。

「とりあえず、私達が何をお願いしたいかって言うと、皆には私達を消そうとする未来の敵を倒す協力をしてもらいたいの。

勿論、強制では無いし行きたくないならそう言ってもらって構わない。急な話だし、こっちの私がいなくなって混乱してるだろうし。
それに十中八九、戦わなくちゃいけない。
しかも相手はおそらくフィフスセクター以上だ」

「「……」」

Aは一人一人の顔を、目を見ながら、真剣な顔をして訴えた。

でも彼女の言う通り、急な話で内容が飛んでいて、しかも場合によっては戦わなくてはいけない。

それにまだ疑っている者もいるんだろう。

だからか、団員達はその話を何処か浮かない表情で聞いていたが、彼女の次の言葉でその表情は皆見開かれた。