未来少年大戦争 ページ1
次に目を開いた時、アルファは見慣れた部屋の中心に座り込んでいた。
薄暗い室内。
そこには椅子などの家具が一切なく、聞こえるのは無機質な機械音。
足元の通路沿いにライトが付いており、ソレが道標となってアルファを中心にT字に伸びていた。
アルファはこの時、困惑していた。
自分は先程まで過去に戻り、
その際にイレギュラーと接触。
邪魔をされ、その時そのイレギュラーイドラに……
「なァに勝手に戻って来ちゃってるんですかぁ？」
まだ混乱する頭の中を整理し、同時に敗因を思い起こしていると、不意に甘ったるい少女の声が部屋に響き、アルファは声のした方を見遣る。
T字に伸びていた道の内の1つ。
その上に1人の少女が柔らかな微笑みを浮かべながら立っていた。
彼女はアルファと目が合うとﾆｺﾘと微笑む。
傍から見ればその微笑みから悪意を感じる人はいないだろう。
しかしアルファはすぐに目を逸らすと、まるで彼女が見えていないかのように独りでに立ち上がる。
持っていた武器を球体に戻し、彼はその場を去ろうとしたが、その前に少女が口を開いた。
「もしかしてですけれど…失敗、したんじゃありません？失敗しちゃいけない任務を」
「…ベータ。私はこれから報告に行かなければならない。貴様の無駄話には付き合っていられない」
「むぅ〜…ちょっとくらい、いいじゃないですか〜！
相変わらず冷たい人ですね」
ベータと呼ばれた少女はアルファに歩み寄りながら、やけに弾んだ声で話すが、アルファの釣れない態度にﾌﾟｸｯと頬を膨らませる。
そんな彼女を一瞥すらせず、そのまま部屋を出ようとしたアルファ。
そんな彼にベータは告げた。
「どうせすぐ�爛爛殴麩換��瓩墨△譴討�れちゃうんですから……今の内にお話してあげようと思いましたのにぃ」
「……必要無い」
彼女の言葉にアルファは微かに眉を顰めながらも
振り返らずにそのまま部屋から出て行った。
扉が閉まると1人残されたベータは口角を上げ、薄い笑みを浮かべる。
人を嘲笑うような、薄気味悪い笑みだった。
「まぁ、せいぜい足掻いちゃって下さい。
どうせ無駄だと思いますけれど。
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そうしてｸﾙﾘと踵を返すと
ベータは鼻歌を歌いながらその場を立ち去った。
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