彼女の為なら【七つの大罪】part8 (ページ7)

今日:9 hit、昨日:7 hit、合計:15,471 hit

彼女と制服姿ページ7

〈豚の帽子〉亭に着いた僕達はゴウセルを着替えさせる為、替えの服を探した。

とは言っても前に着ていたあの服はどっか行ったみたいなので、物置にしまっていた他の服を幾つか持って来てゴウセルの前に並べて、ゴウセル自身に選ばせた。

「さぁ、ゴウセル！どの服がいいか選ん」

「コレがいい」

………で、即答で選ばれたのは、何故かリラが着ていた〈豚の帽子〉亭の制服(女用)だった。

だから選ばせるのはやめようって言ったのに……
コイツ、よくわからんけど女物の服に興味があるから。

というか、なんでこの服を選択肢に入れたんだよ、リラ。

止めなかった僕も僕だけど。

「はァ……あんな変態人形と一緒に歩きたくないんだケド」

とりあえず僕達に見えない所でﾊﾟﾊﾟｯと着替えてもらう事にして、待っている間僕は思わずそんな愚痴を零した。

「こーら、A。そんな事言ったらダメでしょう？」

「だってアイツ、顔はアレでも男なんだよ？
それにあの服来たゴウセルなら前にも見たし…うぅ」

「あの時のゴウセル、似合ってたじゃない！
それに服に性別は関係無いわ。大事なのは着たいかそうでないか。それだけよ」

「……そう」

反論するのも諦めて、僕は最初反対していたクセに適当に相槌を打っておいた。

当然リラは「面倒くさがらないの！」と怒られてしまう。
ついでに頬を軽く引っ張られた。

だって、服に拘りなんて無いし…
見せたくない所見えないようにしてれば別に何でも。

…ああ、だからって裸も同然の服はパス。
つかそんな服あってたまるか。服じゃねぇ。

「お待たせ、2人とも」

そんな話をしていたら、ゴウセルは着替え終えたようだ。

不意に背後から憎たらしい声がして、僕達は振り返った。

……本当にコイツ、女物の服着てる。

しかもお決まりの決めポーズまでキメちゃってさ。
なんだよ『キュピーン』って。

顔が顔だから違和感が仕事しないのも困りものだ。

「やっぱり素敵ね、ゴウセル。似合ってるわ」

「ありがとう」

「…ゴウセル、お前リラ操ってたりしてねぇよな？」

「こーら！」

でもリラはゴウセルのその姿を純粋に褒めてくれる。

優しさとかお世辞とかじゃなく、本当に純粋に。

ソレが何だか腹立って、ゴウセルを睨みながらそう言ってみると、何故だかリラがまた怒って、今度は僕の耳を引っ張った。

……痛い。