彼女の為なら【七つの大罪】part8 (ページ16)

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彼女の冗談ページ16

「ウォッホン！！そのことなら私が話そう！！！」

マーリンに言い返したいけれど、上手い文句が考え付かず。
僕はただ黙ってマーリンを睨みつけていると、不意にやけにデカい新しい声が響いた。

「バルトラ国王！！？」

「やっと登場できたわい…」

「いつからいたの？」

「言うな」

声のした方を見ると、そこにはいつの間にやら国王様が立っていた。

タイミングやけに良いな……
ま、これ以上続けたら手が出そうだったから丁度いい。

「これを捜し当てるのに大分時間がかかったが…ようやく見つかったよ」

国王様はおもむろにゴウセルの方に歩み寄ると
懐をｺﾞｿｺﾞｿと探り始める。

そうしてそこから何かを取り出すと、ゴウセルに見せてやった。

「＿＿＿覚えておるか、ゴウセル？」

「………！！？」

国王様が差し出した物を見た瞬間
ゴウセルの表情が明らかに凍ったように見えた。

国王様が差し出したのは、ハートの形に繊細な模様の入った何か。

まるでネックレスとかに付ける飾りみたい。
装飾だって綺麗だし。

なんだ、コレ……？なんかのアクセサリー？

「バルトラ、そりゃ一体……」

「…？おい、ゴウセ＿＿＿」

国王様の出した物を皆凝視し、団長がその物の正体を尋ねたその時だ。

急にゴウセルが動き出したかと思えば
驚く事に、踵を返して古城の天辺から飛び降りた。

「えっ…！！？」

「ちょっ、ゴウセル？！」

「ゴウセル待て…！！！」

突然の行動に一同唖然。

制止の言葉も遅く、ゴウセルは重量に従いそのまま古城の下の地面に着地した。

結構な高さから落ちたから少し気になって下を覗いたが…残念ながらあの人形は頑丈なようだった。

何事も無く立ち上がり、更にその後も駆けて行くと、あっという間にゴウセルの姿は見えなくなってしまった。

「きゅ…急にどうしたんでしょう…？」

「小便かな」

「あやつは人形だぞ」

「ウ○コだろ♪」

「だから人形だって」

「そういやアイツの身体の中にいる時、興味本位で虫食った事あったな。今頃腹に来たか？」

「いや、だから人形……えっ？それ本当？」

「嘘だケド」

「A！」

急な事に驚きはしたものの、やはり団長辺りはいつも通りだった。

それに便乗して適当な事を言ってみたら、キングが割と真面目に受けた上にリラにまた怒られた。

ちょっと悪ふざけしただけだっての……

つーか、あの人形ホントにどーしたんだろ。