彼女の為なら【七つの大罪】part8 (ページ1)

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◇感情の勉強法◇ ページ1

『わぁい！てっぺんまで登れた！』

これは楽しい感情。

『ありがとう！とっても嬉しい！』

これは嬉しい感情。

『酷い…！ずっと信じていたのに…！』

これは悲しい感情。

『お前だけは絶対に許さない…！！』

これは怒りの感情。

今日も本の物語の人達の感情を読み取る練習。

物語も好きだけど、大半はこの為だったりする。

『それでも私は貴方を愛している！
例えキミが僕を嫌おうとも！』

熱烈な愛情。

『僕の妻を奪うだなんて許せない……殺してやる……殺してやる、殺してやる殺してやるっ…！！』

殺意と化した憎しみ。

『貴方の事は好きよ。
でも貴方の気持ちと私の気持ちは違うんだわ』

友情以上、恋人未満。

『娘だけは…娘だけでも、どうか逃がして！』

家族愛。

単純な感情もあれば、複雑な感情も勿論存在する。

と言うか、ほとんどがそう。
物語の中も外も、感情は皆複雑で奇妙な物だ。

『何故その者を庇う？我らの宿敵だぞ！』

『私は彼を愛しているの！お願い、もうそっとしておいて！』

敵同士で愛し合う2人。

どうして？敵なのに惹かれ合ったのか。

『俺はお前を心からは許せない…でも、歩み寄る事は出来る。これからもよろしくな』

許せないといいながら、堅い握手を交わす2人。

どうして？許せないんでしょう？許してないんでしょう？

『愛してる。だから死んで。私だけの物になって』

愛してるといいながら、その相手を殺そうとするヤツ。

どうして？好きなのに殺そうとするのか。
好きだから殺そうとするのか？

わからない。感情がわからない。

どうしてそう考えるのかわからない。

物語の中だけなら、こんなに悩まなかった。
でも物語の外でも人の感情の複雑さは変わらない。

そうして僕も、その1人だ。

正体不明の感情を持った、よくわからない者の1人。

自分でもわからない感情を抱えるのは、最早恐怖でしかない。

まるでいつ爆発するかわからない爆弾を抱え込んでいるようだ。

気持ち悪い。
自分で自分が嫌になる。

〝ソレ〟を切り捨てたいけれど、出来ない。
感情なんだから当たり前か。

これ以上〝ソレ〟が僕の中で成長したら、どうなるんだろう。

僕はどうなってしまうんだろう。

僕が僕じゃ無くなってしまうんじゃないだろうか。

それが嫌だから、いつも突っ撥ねてるのに。
それが嫌だから、いつも乱暴に扱ってるのに。

お前は、いつだって。