△リボンが87こ▽ ページ41
「美味しいね、まなべ！私、初めて食べた！」
天辺の癖毛をﾋﾟｮｺﾋﾟｮｺさせながらAはまるで食レポ並のオーバーな反応を見せる。
�狃蕕瓩匿�べた�瓩箸いΩ斥佞飽�っ掛かりつつも、真名部は「良かったです」と口元を綻ばせると、持っていたバターロールの袋を彼女に差し出した。
「もう1つ如何です？」
「えっ？いいの？怒らない？怒られない？」
「怒りませんし、怒られませんよ。
食べる為に買ってきたんですから。
それに1つじゃ足りないでしょう？」
真名部が首を傾げると、そんな彼の言葉を肯定するかのように彼女のお腹が鳴り響く。
きっと食べ物を口にした事で返ってお腹が空いて来たんだろう。
咄嗟にお腹を抑えるAが可愛らしく見えて真名部は思わず笑ってしまうと、Aもｸｽｸｽ笑いながら「じゃあ、もういっこ食べる！」と手を伸ばした。
何気無い食事……というには少し異質だが
真名部は何故だか心があたたまるような、穏やかな時間だった。
何より人と食事をするのが久方振りだからだろうか。
特に大した物は食べていないはずなのに、まるでご馳走のように美味しく感じた。
「(コレを食べたら彼女にドリルをやらせましょう。
読み書きや簡単な計算は覚えて貰わないと……
…ああ、でも彼女は先程絵本を読んでいましたし、その後でもいいですかね)」
食べながら真名部は彼女との今日の予定を考える。
普段なら予定を立ててると息が詰まるような気分になるのだが、その時だけはこれから遊園地にでも行くかのように胸が踊っていた。
彼女の母親はいつ帰って来るのかわからない。
今日中に帰って来るのか、明日帰って来るのか、明後日帰って来るのか。
彼女が言っていた、帰って来るはずの日付はとうに過ぎてしまったし、何より彼女の母親は自分を見てどう思い、何をさせ、何をするのかわからない。
何よりまだ自分が誘拐された理由さえもわからないし
誰が自分を誘拐したのかもわからない。
もしかしたら目の前で美味しそうにバターロールを頬張るAがそうしたのかもしれないのに。
真名部は寧ろ『そうだったら良いのに』なんて考えていた。
そんな真名部は知らない。
自分が誘拐されて、事態はどれだけ大事になっているのか。
真名部は知らない。
彼を捜索する人間は、警察だけではない事に。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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