△リボンが92こ▽ ページ46
「でも……その、多少は楽しいと思っています」
「…！」
だが、続けられた言葉にAは微かに目を見開き、ﾊﾟﾁﾊﾟﾁと瞬きを繰り返す。
真名部はすぐに彼女から目をそらすと、メガネのブリッジに触れて意味も無く押し上げた。
三拍子程置いて、ﾊﾟｯとAの顔に花咲いた。
とても嬉しそうな顔をしながら身を乗り出すと、ｽﾞｲｯと真名部に顔を近付けながら捲し立てた。
「ほんと？ほんとにほんと？ほんとホントほんと？」
「え、えぇ……そうですよ…！
というかアナタ、そうやってすぐ近付くの止めて下さっ……」
「楽しいって思ってるの？私と遊んでて面白くないなって思ってないの？私の事邪魔じゃない？私ちゃんといい子？悪い子じゃない？」
「ち…ち、ちょっと…！は、離れてっ…！一旦離れて貰えますかっ…？！」
真名部は身を引いて彼女から距離を取ろうとするが、その分Aが距離を詰めながら真名部に尋ねる。
その勢いと彼女との距離に真名部の心臓が喧しく鳴り始め、真名部は慌てて彼女の肩を押して距離を置くよう言ってやると、Aは素直に真名部から身を引いた。
まさかここまで食いつくとは真名部自身も思わなかった。
余程、真名部の言葉が嬉しかったのだろうか。
そんな大層な事は言っていないはずなのだが、彼女にとっては極上の褒め言葉だったのだろう。
何せ彼女は母親に虐げられて過ごしていたようだから。
また胸がきゅっと締め付けられる感覚と共に、真名部は
鼓動がある程度収まると真名部は1つ咳払いをして
ｿﾜｿﾜしているAに向けて続けた。
「……本当ですよ。アナタといると、その……退屈は、しないので。
それにアナタ、かなり……ﾝﾝｯ、少々問題がありますが、根は素直な人みたいですし……その、少なくとも僕はアナタを悪い人だとは思って……いません」
「ほんとーに？私いい子？ちゃんといい子出来てる？」
「ま、まぁ…今の所は」
「ほんと？…………えへへへ」
真名部は所々誤魔化しつつも、率直な意見を述べると
Aはﾎﾟｶﾝとした顔をしてから、ふにゃりと溶けたかのような微笑みを浮かべた。
頬もほんのり赤く染まって、それほど真名部の言葉が嬉しいんだろう。
いつもの無邪気な笑みとか違う微笑みに、真名部の心臓がまたﾄﾞｷﾘｯと跳ねた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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