△リボンが84こ▽ ページ38
普段着るようなTシャツやズボンから
いつ着るかわからない、派手でやけに露出度の高い服まで。
しかも中には女性用の下着までもが紛れているので
真名部は目のやり場に困ってしまう。
とにかく女性用の服がその辺に乱雑に散らばっており、まるで下の階の汚部屋を思わせた。
クローゼットがあるにも関わらずこの状況。
この様子だとクローゼットの中身も容易に想像出来る。
それでもまだ服だけだったので、床に敷いてある黄ばんだ絨毯が見えるし、多少の足の踏み場も確保出来た。
そんな部屋の隅にはドレッサーが置かれており
机の上にはこれまたﾋﾞｯｼﾘと化粧用品が立ち並んでいた。
鏡は端っこが欠けており、しかも一部曇っている。
更に部屋の中は香水なのか、鼻に突くような強いニオイがした。
甘い女性らしいニオイと、何とも言えないその家独特のニオイ。
それらが混ざりあったかのようなニオイは下の汚部屋とはまた違った嫌なニオイで、真名部はここでも一瞬鼻を抑えた。
だが、以外は本当に何も無い部屋だった。
本当にこの部屋は着替える為にあるような部屋だった。
想像していた女性の部屋とは随分かけ離れた光景に
真名部は軽く目眩がした。
きっとこの部屋の主は片付け方がわからないんだろう。それか相当な面倒臭がりか。
どちらにしろ真名部は足を踏み入れた瞬間、部屋の光景に絶句してしまった。
「こ……これ、全部アナタの母親の服…なんですか？」
「うん、そうだよ！この服も此処の部屋から借りたの！」
一通り部屋を見渡して真名部が尋ねると、Aはそう言いながら自分が今着ている服を指し示す。
そうして「ママには秘密ね」と小声で付け足すと、Aはｽﾀｽﾀと慣れた様子で部屋の中に足を踏み入れた。
「まなべのお洋服は〜……どうしよっか？どこら辺に置きたい？」
「ど、どこら辺と言われましても……やはり見つからないよう物陰に隠すのがいいかと」
「モノカゲ、モノカゲ……あ！クローゼットの中？」
「それは……それは、流石に……！」
真名部は慌てて首を横に振った。
部屋がこんな惨状なのだ。
クローゼットの中は更に酷い状態になっているだろう。そんな中に自分の服は入れたくない。
だが、そこ以外にこの部屋の上手い隠し場所が見つからなかった。
この部屋はドレッサーとクローゼット以外は本当に何も無い。あるのは散乱した女性物の服のみ。
結局真名部は散々葛藤した後、渋々クローゼットの中に隠す事にした。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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