○いってらっしゃい○ ページ25
「では、行ってくるぞA」
「うん、いってらっしゃい！！」
ようやくゴウセルも納得してくれて、ゴウセル1人で町に買い出しに行く事になった。
その間、私は勿論お留守番。
でも1人で出来るもん。それくらいへっちゃら。
寧ろ慣れてるよ。だって昔はずっと1人だったもん！
「…本当に1人で留守番出来るな？」
「大丈夫だよー！私は
「本当か…？因みに体調はどうだ？何処か悪くないか？」
「それも大丈夫だよ、ゴーセル！元気いっぱいなの！」
「……やはり行かない方が…」
「も〜、ゴウセルってば〜…」
……でも、ゴウセルはへっちゃらじゃないみたい。
何かと理由を付けては行こうとしないゴウセル。
心配なのは分かるけれど、もうちょっとだけ心に余裕を持ってほしい。
さっきも言った通り、心配なら移動石ですぐ戻って来ればいいんだし。
「私の事は気にせず早く行きなって！
でないと逆に体調悪くなっちゃうかもよ？」
「む…それはダメだな。
では、そろそろ行くとしようか」
そこまで言ってようやく、ゴウセルは出掛ける気になったようだ。
ポケットから移動石を取り出した。
でもすぐには呪文を唱えず、おもむろに私の頭の上に手を置いて、そのままゆっくりと優しく撫でてくれた。
私は「いってらっしゃい」と微笑むと
ゴウセルも微かに微笑んだような気がした。
「……ドウイ・スメス・チクチャ」
そうしてゴウセルは目の前から一瞬で消えていなくなり
ﾎﾟﾂﾝと1人、私だけがその場に残された。
途端に寂しさが私の中で渦を巻く。
さっきまで、へっちゃらだって思ってたのが嘘みたい。
…だ、大丈夫！大丈夫だよ！
お買い物したらすぐ帰って来るって！
そうしたらまた一緒にいられるんだもん。
ちょっとの間の辛抱だよ、うんうん。
なんて自分に言い聞かせてみるけれど、虚しいばっかりで。
行ったばっかりなのに、早く帰って来ないかなって。
いつになったら戻るのかなって。そればっかりが頭を埋める。
「私って…こんなに寂しがり屋だったんだなぁ」
ﾎﾟﾂﾝと呟くとヤケに響いた。
何にも出来ない私は時間を進めようと枕に顔を埋めると、そのままゆっくり目を閉じた。
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＊IJu＊(プロフ) - シーナさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです〜( ´ ▽ ` ) (2020年5月27日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - 最初から読みました！スゴく綺麗で切ないお話に涙腺が崩壊しました………！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
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