○悪化する○ ページ17
「ごめんね、ゴウセル…今日はちょっとお出掛けムリかも……」
そう言いながら咳をすると、ゴウセルは「気にするな」と言って私をまた布団の中に入れてくれた。
外が暖かくなるのに比例するように、私の病気は確実に進んでいた。
四肢は完全に動かなくなり、手首から先もただの棒と化した。
しかも時々発作を起こしちゃって、その度にゴウセルを心配させちゃうの。
この間なんて3日間寝込んじゃって、流石にゴウセルも焦っているようだった。
それで今日も体調が朝から優れなくて。
咳は酷いし、動いていないのに体はダルいし。
しかも胸が少し苦しくて、嫌になる。
今日は湖の方に行ってお花が咲いてるか見に行こうって約束したのに……
それでお花が咲いていたら花冠を作ろうかなって。
本当ならそれでも外に飛び出したい気持ちだけれど
この状態で出て行ったら間違いなく後で具合が悪化するだろうし、何より心配性のゴウセルを心配させたくないから。
今日は1日、ベットの上で安静にしていないと。
湖に行くのはまた今度にしよう。
……また今度がいつになるのかは、わからないけれど。
「外に出掛けられないのなら、今日は一緒に本を読もう。午後にはクッキーを焼いてやるから、一緒にお茶会もしよう」
出掛けられなくなったのに、ゴウセルは切り替えて私にそう提案してくれる。
ゴウセルのこういう所のおかげで、こういう時悲しむ時間は随分と減った。
それに彼の提案はどれもﾜｸﾜｸするの。
本を読むのも好きだし、お茶会も好きだから。
勿論、ゴウセルの1人劇も好きだし、お人形さんを動かしてお話してくれるのも好き。
ゴウセルのやってくれる事は全部好き。
…包帯巻くの以外。
アレは凄く恥ずかしいんだ。
腕が動かないから仕方ないんだけれど。
「お茶会…！久々だね！やろやろ！
バーニー達も招待しようよ！」
「いいだろう、皆の分の紅茶を振る舞ってやろう」
「わぁい！」
お茶会は特に久しぶりだから、ちょっと喜び過ぎちゃったかな。
ルーデンが来なくなってからめっきりしなくなっちゃったから。
紅茶の香りを嗅ぐと何故だか彼を思い出しちゃうから、何となくやらなかったんだ。
でもいつまでもそれじゃ、ダメだよね。
ルーデンの事は早く忘れないと。
一生お茶会なんて出来ないもんね。
ゴウセルの焼くクッキーは紅茶に合ってとっても美味しいのに、それじゃ勿体なさ過ぎる。
「(すぐに忘れられる方法があればいいのに)」
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＊IJu＊(プロフ) - シーナさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです〜( ´ ▽ ` ) (2020年5月27日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - 最初から読みました！スゴく綺麗で切ないお話に涙腺が崩壊しました………！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
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