ある少年の話 ページ1
彼女とは家が近所で、親同士も仲が良かった。
だからよく互いの家を行き来して集まっていた。
父さんと母さん達が話している間、俺の遊び相手になってくれたのが彼女だ。
彼女は感情豊かでｺﾛｺﾛと表情が変わる、とても元気な女の子だった。
女の子は人形遊びとかが好きなイメージだったんだけれど、彼女は進んで木登りやかけっこ、時には危ない事も進んでやってのけて、そして一緒に怒られたものだ。
そんなやんちゃな彼女に俺は振り回されつつも
一緒に何かするのが楽しくて、ついつい彼女について行ってしまっていた。
これからもこんな楽しい毎日が続くんだろうなって。
彼女も俺も変わらず、このまま大人になっても楽しく過ごすんだろうなって信じて疑わなかった。
彼女が�猊綰塢足瓩魎気Δ泙任蓮�
腐敗病。身体全体がゆっくり腐り、朽ち果て、それが内蔵にまで及んでやがて死に至る、恐ろしい病気だ。
治す方法は今の所見つかってはおらず
更にはそのグロテスクな見た目から、村の人達はあっという間に彼女から離れていった。
俺もその1人だった。
母さんが止めたのも理由の1つだが
1番の理由が『仲間外れにされたくないから』
彼女が病気になってから、村の人達は彼女に関わった者全部を拒絶した。
彼女に近付くと病気が移る、なんて馬鹿みたいな事言って、彼女も、彼女の家族も拒絶した。
その光景を間近で見て、俺は怖くなったんだ。
ホント、何考えてんだろうな、昔の俺。
彼女は何倍も怖い思いしただろうに。
悲しい気持ちになっただろうに。
それで気付いたら彼女とその家族は村からいなくなっていた。
出て行ったんだ、村から。
その時、俺は酷く後悔した。
彼女を仲間外れにしてしまった事を。
彼女を守ってやれなかった事を。
1人でも味方がいたら、彼女は村から出て行く事にはならなかったかもしれない。
でも俺はソレが出来なかった。
何よりも自分が可愛ったから。
そうして気付いた。
今まで自分が抱えていた気持ちに。
彼女がいなくなってから、気付いた。
空っぽの胸の中で、確かに残った彼女への想い。
俺はソレを伝えられぬまま、時は流れた。
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＊IJu＊(プロフ) - シーナさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです〜( ´ ▽ ` ) (2020年5月27日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - 最初から読みました！スゴく綺麗で切ないお話に涙腺が崩壊しました………！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
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