ぼんやりしてしまうのです ページ10
容赦無く冷たい雨が私を襲う。
髪に、顔に、服に。まるで針のように降り注ぐ。
でも私はすぐに拾おうとしなかった。
何故だかこの雨が、今は心地良い気がしたから。
「ち、ちょっとA…！」
…でも周りから見たら、その行動は異常でしょうね。
すぐに狩屋君が自分の傘を私に差してくれました。
そこでﾊｯと我に帰ると、私は慌てて傘を拾い上げ、狩屋君に謝った。
狩屋君から「ぼんやりするなよ」と言われましたが
その顔はとても心配そうな表情でした。
…何をやっているんでしょうか、私。
風邪を引いてしまったら大変ですのに。
「…すみません」
私はもう一度謝って、再び先を行く不動さんを追い掛ける。
今度は傘を落とさないよう、しっかり握り締めながら。
……ついでに唇も噛み締めて、何かを堪えながら。
−−−
駅に着いたら不動さんが「切符を買って来る」と私達を置いて切符売り場に向かった。
今回はお金もちゃんとあるので、お断りしようとしましたが、不動さんは聞こえないフリをして行ってしまわれました。
とてもありがたい事ですが、今ので狩屋君は更にイライラしてしまったようで、「何スカしてんだよ」と隣でボヤきながら不動さんを待っていた。
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「…！」
その時です。私のお腹が盛大に鳴き声をあげた。
反射的に私はお腹を抑えるが、もう遅い。
駅内とは言え、まだ人の少ない時間帯。
そのお腹の音は狩屋君に届いてしまったようで、途端に狩屋君は私の方を向いた。
「……違います。今のは私のじゃないです」
「…そう言えば、朝食食べそびれちゃったもんね」
「違うんです、私じゃないんですって」
「駅弁買ってく？そこに購買あるよ？
それともどっか食べに行く？
……ああ、でも不動コーチいるのか……」
「あの、狩屋君。聞いています？私前提で話さないで下さい？」
前提も何も私から発せられたのですが。
狩屋君の見事なスルーっぷりに若干傷付きつつ、駅弁を買ってこようか迷っていたら
そのタイミングで不動さんが切符を3枚購入して戻り、「ほらよ」と1枚ずつ私達に切符を渡してくれました。
「ありがとうございます」
「…あざっす」
「無くすなよ、お前ら。安くないんだから」
「目の前で破いてやろうか…」
「なんだ、狩屋？」
「いいえ、ナンデモ」
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ゆうくん(結翔)(プロフ) - ＊IJu＊さん» いえいえ！！はい、頑張ってください！！！ (2020年5月6日 8時) (
レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜！ (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください！！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
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