めちゃくちゃなのです ページ6
「…因みに何処の病院へ行かれたのですか？」
「それが…その」
疑問はありますが、一先ずお父さんの居場所を探ろうとそのままその女性に問い質す。
すると女性は困惑の表情を浮かべ、僅かに肩を縮めると
私の質問に、また言いづらそうに答えた。
「転院先の病院については…何も書かれておりません」
「えっ…？」
…耳を疑いました。
だってそういう記録って必ず記されているものだと思っていましたから。
いいえ、この場合も普通ならそのはずなのです。
普通ならちゃんと記録されていて、何処に転院したのかわかるはず。
でも、それがされてない。
考えられる理由は1つ。
「…………そうですか」
暫く間を空けてから、私は一言。
受付の人は終始申し訳なさそうな顔をしていて、気の毒に思った。
私は1つ頭を下げてから、ふらふらと受付を離れた。
狩屋君は転院の話辺りからｵﾛｵﾛしていましたが
遅れて彼も受付の人に軽く頭を下げてから、私を追い掛ける。
「……どう、する？」
病院から出ると、狩屋君は私の顔を覗いて言いづらそうに、恐る恐るといった感じで私に尋ねた。
でも私は何にも頭に入らなくって、少しの間ぼんやりと地面を見つめる。
そうしたら不意に、狩屋君の顔が私の視界に入って来て
彼は私と目が合うと「大丈夫…？」とまた恐る恐る尋ねました。
「………大丈夫、と言ったら嘘になります」
「そ、そう…だよね。
折角来たのに、会えなかったんだから…」
「いえ…そこは別にいいんです。
元より、あまり期待はしていませんでしたから」
「…えっ？」
狩屋君は驚いた顔をして私を見遣る。
確かにお父さんに会えなかったのは悲しいです。
折角、狩屋君にも協力してもらって、不動さんの言いつけを破ってまで、わざわざ来たのに。
でも…それ以上に私は
お父さんにお別れを言えなかったのが、悲しいんです。
お父さんの寿命はもう殆どありません。
だからこそ、きっちりお別れをして気持ちを整理しようとしましたのに。
何よりお父さん自身が、私から離れた。
転院の事を記録していないのはきっと、お父さんがそう言ったからです。
それか記録は残っているけれど、看護師さん達に口止めをしているのかもしれません。
そうまでして、お父さんは私に会いたくなかった。
私にお別れを告げる機会をくれなかった。
お父さんなりの意地なのかもしれません。
でもそのせいで私、感情がめちゃくちゃなんです。
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ゆうくん(結翔)(プロフ) - ＊IJu＊さん» いえいえ！！はい、頑張ってください！！！ (2020年5月6日 8時) (
レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜！ (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください！！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
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