意地悪するんだ ページ22
「……不動さんとは口効かないようにしていましたのに」
ﾌﾟﾙﾌﾟﾙと肩を震わせて、古城はそっぽを向いてしまう。
いや、そっちから話し掛けたんだろーが…
なんで俺のせいみたいになってんの？
「何言ってんだ、お前…まだ根に持ってんのか？」
「持ちますよ、永遠に。心の中で育ててゴボウになるまで根に持ちますよ」
「…もう少しいい例え無かったのか？」
出て来たのがゴボウって……
そりゃ根野菜だし、見た目も根っこっぽいと思うケドさぁ……ゴボウって。
つかそのままで例えるなよ。
イマイチ怒ってるのか、ふざけてるのかわからないが
とりあえず平常運転そうで安心した。
表情だって今はｺﾛｺﾛ変わる。
前髪もちゃんと今日はピンで止めて来たようだし。
こうなって来ると俺が心配し過ぎって感じだ。
俺、別に来なくても良かったかも。
「ま、ちゃんと学校来れたのは偉いぞ、よーしよしよし」
「…不動さん、私は犬ではありませんよ」
「お手」
「はい」
「いや、やるんかい」
とりあえず元気そうで一安心。
御褒美も兼ねて俺は彼女の頭をわしゃわしゃ撫でてやった。
そうしたら古城は文句を言いつつも、何処か嬉しそうに撫で受ける。
まぁ、確かに犬っぽくは無いな。
あっちから擦り寄って来るし、どっちかってったら猫みたい。
………お手の出来る猫。
「…じゃ、俺はそろそろ行くわ」
「えっ」
「別に俺、元々こっち来る予定無かったし。
ただ、お前の様子見に来たようなモンだから。
でもお前は俺と口も聞きたくないんだろう？
だったら、俺は予定通り帝国の方に行っちまおうかなって」
そんな彼女にちょっと意地悪を。
そうしたら古城はあからさまに悲しそうな顔をして俺を見遣る。
でも自分で最初に言った事だからか、すぐには反論出来ないらしい。
ｸﾞｯと口を噤んで、でも何か良いだけな顔の彼女は見ていてとても面白かった。
笑顔の彼女も好きだが、こーゆー顔の彼女も俺は好き。
「……わ、私は別に、それでもいいんです……」
彼女は不意に俺から目をそらすと、頭で言葉を考えながら口にする。
そのせいか随分と拙く、ぎこちない口調だった。
だがふと何か閃いたのか、彼女はﾊﾟｯと顔を上げた。
「是非……て、天馬君！そう、天馬君達の練習の成果を見てあげて下さい……！」
……なるほど？そう来るのな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - ＊IJu＊さん» いえいえ！！はい、頑張ってください！！！ (2020年5月6日 8時) (
レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜！ (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください！！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
