◆悪者のヘーキな顔 ページ49
空が、明るくなって行く。
もう少しで物資が運び終わる。
その頃になってようやく小鳥遊は戻って来た。
彼女は肩で息をしながらも、その足取りはとぼとぼと情けなかった。
その反応から、そしてその隣に黒いアイツがいない事から。
俺は思わず溜息を吐いて彼女の元に歩み寄ると、その酷いツラにジャージを被せてやった。
「……いなかった」
「ああ…知ってる」
「町中探したんだ……でも、アイツ…いなくって…」
「わかった、わかったから。
…戻れ、そろそろ出航だ」
「……」
ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞとジャージの下で鼻を啜る彼女に適当に言葉を掛けながら、俺は潜水艦に戻るよう指示を出す。
だが、次の瞬間、俺はまた彼女に胸倉を掴まれた。
しかもさっきよりも強い力だ。
このまま俺を持ち上げる勢い。
折角頭に被せてやった俺のジャージはその拍子で地面に落ち、彼女の真っ赤に泣き腫らした顔が露になる。
その顔で睨んでくるものだから、痛々しくて見てらンなかったぜ。
「アンタのせいでっ！アンタのせいであの子はっ！
なのになんなの、その態度！？よくそんなヘーキな顔してられるわね！？」
火でもついたかのように喚き散らす小鳥遊。
こうなったらコイツ、止まらないんだよな。
暫くはｶﾞﾐｶﾞﾐと涙を滲ませながらなんか言ってた。
物凄い勢いで俺を責める責める責める。
耳にタコが出来そうだった。
挙句には「いつか殺してやる」なんて物騒な事まで口走るしさァ。
どんだけお前、あのチビにご執心だったんだよ。笑えるぜ。
「あーホント……笑える」
「はァ？！何が？？」
思わず自虐的に笑いながら零しちまったら、小鳥遊は眉を釣り上げて即座に反論する。
普段ならこういうの無視するクセに。
今なら何言っても反応返って来そうだな。
「お前が取り乱してる所」
「っ…！アンタ、ホントぶん殴るよ？！」
「だってよォ、ヘーキな顔って」
「そんな顔してるでしょ！いつもみたいにヘラヘラ笑って……蔑んで……」
そこでようやく、俺と小鳥遊の目が合う。
途端に小鳥遊は勢いを無くして絶句した。
俺は口端を歪めて笑うと、おもむろに自分を指差した。
「＿＿＿
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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