◇ラプンツェルの選択 ページ48
私が決めかねていると、不意にヒロトがこんな事を言い出した。
「…そうだなぁ、じゃあ自分に聞いてみるのはどうかな？」
「えっ…？」
思わず顔を上げてヒロトを見ると、ヒロトはまたﾆｺﾘと微笑んだ。
自分に……聞く？それってどういう意味……？
「簡単さ。胸に手を当てて、自分に聞いてみるんだよ。『どっちを取ればいいの？』って」
「胸に…手を当てて…？」
「そう。それで、その時に頭に浮かんだ答えに従えばいいんだよ」
「………」
そんな事で解決するのか半信半疑だったけれど
私はヒロトに言われた通り、胸に手を当てて目を閉じる。
……ねぇ、私。どっちに帰りたい？
お父さんとお母さんの所？
それともフドウ達の所？
最初に脳裏に浮かぶのは、お父さんとお母さんの写真。
私が入院する直前に撮った写真で、その時の私は随分と幼かった。
次に脳裏に浮かぶのは、フドウ達。
私に優しくしてくれたサクマとゲンダ。
怖いけど私の面倒を見てくれたタカナシ。
私にいっぱい意地悪して来たフドウ。
私をバカにしてくるフドウ。
私を守ってくれたフドウ。
私の事を考えてくれたフドウ。
「………」
ふと、私は目を開くと胸に置いていた手をゆっくり開く。
そこにはさっきヒロトに返してもらった、紐の千切れたエイリア石。
フドウが私にくれた石。
もう随分と、この石にはお世話になっちゃったな。
コレがないと私、普通に生きていけないもの。
私は思わず自虐的な笑みを浮かべると、再び胸にその石を当てた。
「………決めた」
私は顔を上げると、そう言ってヒロトの方を見遣る。
するとヒロトはわかっていたかのように笑ってから、おもむろに私の方に手を差し出す。
「教えて、キミの帰りたい場所。
俺がそこまで連れてってあげる」
だから私はヒロトのその手を掴むと
私の帰りたい、帰らなくちゃいけない場所を伝えた。
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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