◇ラプンツェルと赤髪の少年 ページ45
「……ん……」
なんだか気持ちいい感覚に囚われて、私はゆっくり目を開く。
身体がふわふわする。とても軽い。
それに苦しくも何ともない。
視界はぼんやりしていてハッキリとはわからないけれど、暗い場所だっていうことはわかった。
ああ…もしかして、此処があの世？
私、死んじゃったのかな。
まだふわふわする頭でぼんやり考えながら、視界がハッキリしていくのを呆然と眺める。
だんだん周りの光景が見えて来た。
暗い道。お空は真っ黒で、小さな月が浮かんでて星が綺麗。
そうして私の顔を覗く、男の子の顔。
真っ白の顔に真っ赤な髪を持ったその子は、私が目が覚めた事に気が付くと途端に安心したように微笑んだ。
「ああ、良かった…間に合ったみたいだ」
「……？」
私はﾊﾟﾁﾊﾟﾁと瞬きをしてから、じっと彼を見つめる。
この人…誰？見た事ない人。
潜水艦にも病院にもいなかった。
それに…なんだか寂しそうな目をしているような気がする。
とっても綺麗なエメラルドみたいな瞳なのに。何処かくすんでいるように見えた。
「あ…ごめんね。キミは俺の事を知らないし、現状を理解していないだろうね」
1人で笑っていた彼だったが、ふと思い出したようにそう言って苦笑いを浮かべた。
そうして彼は自分を指し示すと、自己紹介し始めた。
「俺の名前は基山ヒロト。気軽にヒロトって呼んでよ」
「…ひ、ろ……と？」
「ああ、無理はしないでね？
キミ、さっきまで苦しんでたみたいだから」
名前を復唱しようと口を開いたけれど、自分でも驚く程か細い声が私の口から放たれた。
ヒロトはそれを気にしてかそう言って微笑むと、私の頭の上に手を置いてゆっくり撫でてくれた。
久しぶりの人の手の感触。
真っ白な手は見た目とは裏腹に体温があって気持ち良かった。
「……此処は、天国……なの？それとも、地獄……かな」
「いいや、此処は天国でも地獄でもないよ。
まず、キミはまだ死んでいない」
「えっ…？でも、私……発作が起きて…倒れちゃって……」
「…キミ、病気なのかな？」
「…うん…エイリア石のおかげで発作、起きてなかったけれど……」
「そう……エイリア石が……そっか」
自分はつい死んでしまったものかと思っていたが、どうやらまだ生きているみたい。
でもどうして生きているのか。
その事ばかりが気になり過ぎて、この時の私は気付かなかった。
エイリア石、と聞いて彼の表情が一瞬曇ったのが。
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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