◆悪者は意味がわからなかった ページ44
人の机だってのにﾊﾞﾝﾊﾞﾝ叩いて、人の部屋だってのにキーキー喚いて。
終いにゃ、これ以上の話し合いは無駄だと思ったのか
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀと俺の部屋を出て行こうとして。
「…オイ、何処に行くつもりだ？」
「あの子を探して来る！
まだ遠くには行ってないと思うから…！」
一応尋ねたら小鳥遊は口早にそう言って、部屋を出て行く。
…と思ったらまた戻って来て、ステキな捨てゼリフを吐き出してった。
「Aが死んだらアンタのせいだからね、このハゲッ！
そんな事になったら私、一生許さないからっ！！」
それだけ言って小鳥遊は俺の部屋を後にすると、残されたのは俺1人。
妙に静かになった部屋の片隅で俺は大きな溜息を吐くと、そっと視線を机の上の袋に向けた。
……どうしようかな、コレ。
アイツの為に買ったフルーツ牛乳と、アイツと一緒に食べる予定だったバナナプリン。
ま、今食べるってのも手だよな。
こういうのは忘れる前に早めに食べるのがいい。
アイツの事を忘れる為にも。
でも今は生憎、甘い物を食べる気分ではない。
日陰になるような所に置いて、後で食べよう。
「…つか、今更だけど
小鳥遊、アイツ何処まで探す気なんだよ…？」
今さっき出て行った彼女の事を考えながら、俺はふと疑問に思う。
まだ遠くには行ってないっつっても、車無しじゃ結構距離あるだろ。
まず、あのちんちくりんが向かった方向もわからないクセに。探すだなんてムリがある。
それにタイムリミットがあるんだ。
この潜水艦に物資を運ぶのが終わる時間が、その時間。
大体日の出ぐらいだな。
そっからはまた海の中に潜って、暫く日の目を拝めなくなる。
小鳥遊もバカじゃないからわかってはいるだろうが。
「(あのチビの為にそこまでする意味がわかんねぇな……なんだってあんなに慌てて)」
たかが1人、駒がいなくなっただけだ。
だからそんなに慌てる事じゃない。
無くなった駒は補充すればいい。
試合まではまだ時間があるし、まだ間に合うだろう。
そう、それだけ。たったそれだけなんだ。
それだけだ、なのに。
「……………」
ﾁﾗﾘ、落ち掛けていた視線をまた机の上の袋に移す。
そうしてまた溜息と共に、自虐的な笑みが零れた。
……ホント、アイツの為にここまでする意味がわかんねぇよな。
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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