◇ラプンツェルと彼の言葉 ページ40
「い……い、いいの……？」
思わぬ返答に、私は恐る恐るフドウに尋ねた。
意地悪なフドウの事だから尚更、行かせてはくれないと思ってたから。
「別に、今更1人減った所で俺は構いやしない。
寧ろ、お荷物が減って清々したぜ」
…でも相変わらずフドウの口は意地悪な事しか言ってくれない。
ぶっきらぼうに吐き捨てて、乾いた笑い声をあげる。
でも声の勢いがいつもより無い気がした。
何だか…フドウらしくない。
「でも…試合の事とか…」
「お前1人いなくてもまだ補充はいる。お前より使える駒がな」
「…私がいなくなったら、フドウ、あの怖い人に怒られたりしない？」
「ﾊｯ、それがなんだよ？つか、こんな時でも他人の心配かよ。お人好しもいい所だ」
「でも……」
「いいから、」
他にも色々心配で、更に言葉を続けようとしけれど
その前にフドウが遮った。
ゆっくり、顔だけ動かしてフドウはこちらを見遣る。
その瞳はｿﾞｯとする程冷たかった。
始めて会った時よりも……ううん。
今まで見た事もないような、ゴミを見るような瞳。
そんな目で私を睨むように見るから
思わず私は1歩、後退る。
「テメェみたいなちんちくりん、ハナから期待してねェよ。元々、このままお前を置いて帰る予定だったんだ」
「ふ……ふどう……」
「消えろ、俺の目の前から。
そしてもう二度と戻って来るな」
「………」
低い声でそれだけ言うと、フドウは再び正面に向き直る。
私は言葉を失った。
フドウの言葉が酷く、胸の柔らかい所に突き刺さる。
まるで鋭利なガラスの破片に突き刺されたみたい。
……今の言葉は、本心なのかな。
フドウは本当に、私を捨てる為にこうして私と出掛けたのかな。
信じたくない。さっきまで楽しくお話していたフドウがそんな事を考えていたなんて。
今まで優しくしてくれたフドウがそんな事を考えていたなんて。
ああ…でも私、確かに役立たずだから。
いっぱいいっぱい、フドウに迷惑掛けちゃったもんね。
フドウだけじゃない。
タカナシにも、サクマにも、ゲンダにも。
あの潜水艦にいる人達全員に迷惑を掛けちゃったもんね。
じゃあ、そう考えても仕方ないのかな。
私、捨てられても仕方ないのかな。
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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