◇ラプンツェルとバナナプリン ページ35
「何コレ…？バナナプリン？」
フドウが私に差し出したのは、『バナナプリン』と書かれたパッケージのプリンだ。
普通のプリンより明るい黄色で、底の方は茶色いカラメルが無く、代わりに上に生クリームが乗っている。
その名の通りバナナの味がするプリンらしい。
私はその商品の名前を復唱してからフドウの方を見ると
フドウは「そーだ」とぶっきらぼうに答えて私にそのバナナプリンを持たせた。
「……美味しいの？食べた事ある？」
「当たり前だろ？少なくとも不味くはねーよ。だから選んでやったんだ。
……なんだ？信用出来ないのか？」
「ううん！ただ、フドウは意地悪だから変な味の物買わせようとしてるのかなって思って…」
「…お前、俺に選ばせたいのかそうじゃないのかハッキリしろよ」
まじまじとバナナプリンを見つめて、フドウの方を見ると、フドウは溜息を吐いてから「嫌なら戻せよ」とそっぽを向いた。
なんだか拗ねてる子供みたい。
少なくとも、フドウはフドウなりに考えて選んでくれたらしい。
こっそりｸｽｯと笑いながら、私はバナナプリンをもう1つ手に取るとフドウにそのまま差し出した。
そうしたら一瞬、驚いた顔をしてから
またすぐに眉を顰めて私を睨むように見遣る。
「…1つだけって言ったよな？しかも同じの2つって……」
「違う違う！もう1つはフドウの分だよ！」
「……俺？」
自分を指し示すフドウに私は大きく頷くと、フドウは途端に拍子抜けな顔をして私とバナナプリンを交互に見遣る。
その反応がフドウにしては珍しくって、思わず笑ってしまった。
「戻ったら一緒に食べようかな〜って思って！
だってフドウがわざわざ選んだって事は、好きなんでしょコレ？」
「…いや、別に…つか、どーしてそーゆー思考になるんだよ」
「違うなら嫌って言ってもいいんだよ？
他のモノ選んだって、私は怒らないし。
…それとも、フドウは私と一緒に食べるのが、イヤ…？」
「…………」
だんだんフドウらしい勢いが無くなってって、最初は図星だと思ったんだけれど、そうじゃないのかなって思う私もいて。
思わず私もだんだん勢いが無くなって、自信も無くなって。
目を伏せて持っていたバナナプリンを下ろすと、返事の代わりに上から大きな溜息が1つ。
少しの間を空けてから「貸せ」と呟くような声が聞こえて、思わず顔を上げると、フドウは私に片手を差し出したまま目をそらして告げた。
「…2つとも買って来るから、貸せ」
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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