◇ラプンツェルははしゃいだだけ ページ32
「っ…てめっ！何すンだ！？」
「フドウが入ってくれないから、代わりに顔に掛けてあげてるだけだよ〜だ！」
案の定フドウは怒り出し、私はｸｽｸｽ笑いながらそんな事を言ってみる。
続けて更にお湯を掛けるとフドウは「やめろ！」「熱いんだよ！」と顔の前に両手を翳した。
それでも止めないでいるとフドウは痺れを切らしたのか、私の手をあっという間に捕まえて、ﾋﾞｼｮﾋﾞｼｮの顔のまま蛇のように私を睨みつけた。
「あっははは！フドウの顔ベッチャベチャ！」
「誰のせいだと思ってンだよ……こんな馬鹿な事続けるならもう帰るぞ」
「ちょっとふざけただけじゃん！
それに、ちょっとはあったかくなったんじゃない？」
「おかげさまで服も濡れて寒ィんだよ」
「あはは！じゃあ涼しくなったかな？」
「……」
今までからかわれた分をやり返すやうに、私は更にフドウをからかうが、フドウは顔を歪めたまま私を睨み、私の手をﾊﾟｯと離してそっぽを向いた。
……本気で怒っちゃったのかな？
ちょっとからかっただけなのに。
そんなに嫌だったのかな。
いつも私にやって来る事を考えるとﾑｯとしちゃうけれど、直後に不安になっちゃって、私は笑うのをやめて視線を落とすと、足湯に浸けた足をゆらゆら揺らしながら、フドウに謝った。
「……ご、ごめんなさい……」
「…」
「今まで、こうやって誰かとお出掛けした事なかったから……ちょっと、はしゃいじゃっただけなの…」
…病院の外に出るのは初めて。
ましてや、人と外に出掛けるのなんか。
病室で話す時だって、ここまで長く一緒にいた事なんてほとんど無かったから、こっちから悪戯しようとか思っても実行する事はなかった。
だから、やり過ぎちゃったのかな……
フドウ、怒っちゃったかな。
……私の事、嫌いになっちゃったかな。
恐る恐るフドウの顔を覗き込むと、フドウは視線だけ私の方に向けていて、じっと私を見つめてから1つ溜息を吐いた。
「…別に怒ってねーよ」
「ホント…？でもフドウ、怒ってる顔してるけど…」
「元々こーゆー顔だっつの。あんま馬鹿にするとお前置いて帰るからな」
「ば、馬鹿にはしてないもんっ！」
結局いつも通り、フドウにからかわれてしまう。
やっぱりフドウには勝てないや。
…でも怒ってなかったのはちょっと安心。
という事は、嫌われてもないよね、まだ。
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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