◇ラプンツェルと空き缶 ページ28
「……よし、出るぞ。俺からはぐれるな」
少ししてフドウはそう続けると、周りを警戒しながらｻｯと外に飛び出して、足音を極力立てずに、それでいて駆けるように階段を降りて行った。
私もその後を追うが、音が出るんじゃないかと思ったら怖くってフドウのようには駆け下りれなかった。
ﾉﾛﾉﾛと慎重に私が階段を下りている内に
不動は周りをｷｮﾛｷｮﾛと見渡してから、積まれたコンテナの後ろに隠れた。
そうして振り返り、私に向けて手招き。
そこでようやく階段を下りた私は一目散にフドウの元へ駆け寄った。
見つかってないかﾋﾔﾋﾔしたけど、どうやら大丈夫だったみたい。
「あそこ、人がいるの見えるか？」
「…？何処？」
「ほら、入口前のあそこ。
車も止まってるだろ？そのすぐ横だ」
走ってちょっと息が切れたので、私は呼吸を整えていると
フドウは一方こうの方を指差し、私はそちらの方を見遣る。
確かにフドウの言う通り、この倉庫の出入口付近に男の人が1人。
近くには私が乗って来た時のような大きな車が止まっていた。
あの人は…見張りかな？
見つかったらタダじゃ済まないよね……
縄で縛られて尋問されちゃうかも。
どうしよう…このままじゃ外に出られない。
でも此処から抜ける道はあそこしかないし…多分。
此処ら辺について詳しくはわからないから何とも言えないけれど、今見えてる景色の中で此処から出られる場所はあそこしか見当たらない。
………あの人、どっかに行ったりしないかな。
「…どうするの、フドウ？
あの人、動きそうにないし……」
「そうだな……」
どうやってあの人の目を掻い潜って、この倉庫からひとまず脱出するのか。
私には思いつかなくってフドウに尋ねると
フドウは辺りを見渡しながら返事を返した。
フドウも悩んでるみたい…と思ったけれど
すぐにフドウは何かを見つけたのか、ﾆﾔﾘと意地悪な笑みを浮かべた。
「…コイツを使おうか」
そう言って彼が手にしたのは、空き缶だった。
誰かが此処に集まって、中身を飲んでそのまま此処に放置したんだろう。
幾つか空き缶が転がっていて、フドウはその1つを慣れた様子でﾎﾟﾝﾎﾟﾝと手で弄ぶ。
ま、万が一落としたら音がなってバレちゃうかもしれないから、やめて欲しいな……
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＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
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