◇ラプンツェルの隠密行動 ページ27
タカナシから借りたパーカーを着て、タカナシから貰った帽子を被って。
いよいよ出掛ける準備が終わると、私はフドウと待ち合わせをしていたフドウの部屋へ向かった。
部屋の扉をノックするとすぐに「ハイハイ」と返事が聞こえ、扉が開く。
中からフドウがいつしかのようにタンクトップに短パン姿のラフな格好で現れて、彼は私を確認すると一瞬目を丸く見張った。
「え、へへ…変、かな？
タカナシからパーカーと帽子借りて来たんだけど……」
「………その帽子によく髪の毛が全部収まったな」
鏡で見てないからちょっと格好に自信が無くて
しかもあんまりにも見られていたから私は後ろで手を組んで視線を落とすが、フドウはどうやら私の被っていた帽子が気になってたみたい。
前髪は下ろしたままだけど、流石に長髪までそのままだとバレちゃうと思った。
だから後ろの髪の毛は全部、帽子の中に収めたの。
私の髪の毛、自分の身長よりも長くって収めるのが大変だったけれど……なんとか収める事が出来た。
でも頭にまるで重りでも置かれているんじゃないかってくらい重い……
改めて自分の髪が如何に長いかを痛感させられたような気がした。
「まぁいい。その方が周りもわかりづらいだろうしな。
……んじゃ、早速行くか」
話もそこそこに、フドウはそう言うとｽﾀｽﾀと部屋を出て歩き始め、私も慌ててその後を追う。
フドウに付いてって潜水艦内の通路を通っていると
明らかにいつもと違う扉が開いていた。
普段は閉まっていて絶対に開かない、恐らく出入口になるであろう扉。
私がこの潜水艦に初めて来た時に入って来た扉だ。
「静かにしてろよ…こっからは物音立てんな」
扉のすぐ横まで来ると、フドウは人差し指を立てて口元に添えながら、声を潜めてそう言った。
フドウからの指示に私は黙って頷くと、フドウはそっと扉から外の様子を見遣る。
なんだかスパイみたいでﾄﾞｷﾄﾞｷする…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» コメントありがとうございます〜！僕にはもったいない嬉しいお言葉…(´；ω；`)ノロノロ更新ですが、これからも頑張ります〜！ (2019年12月8日 15時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - わぁぁぁ、続編本当におめでとうございます！もう文章が光り輝いて見えるレベルですね……これからも作者様のペースで頑張って下さい、ずっと応援してます！ (2019年12月7日 18時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 時雨（元．不動彩香（アヤカ））さん» コメントありがとうございます〜！嬉しいお言葉頂きました(*´∀｀)これからも更新頑張りますっ！！ (2019年12月1日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨（元．不動彩香（アヤカ））(プロフ) - 続編おめでとうございます、やっぱり貴方は凄いです！最初の一ページから素敵です、更新頑張って下さい！応援してますね！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: b421c0e73a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
