△リボンが34こ▽ ページ37
「……と、ところで……」
ふと、真名部は思い出したかのように彼女に尋ねた。
その際に、打って変わって声が思わず震えてしまう。
それでもAは首を傾げて「なぁに？」と聞き返すので、真名部は若干顔を引き攣らせながらも彼女に尋ねた。
「き、今日って……アナタの母親が、帰って来る日…ですよ、ね？」
「…うん！そーだよ！」
するとAは、一瞬の間を空けてから、ﾆｺﾘと笑って頷いた。
彼女にとっては母親が帰って来るのが待ち遠しいのだろうか。
だが真名部にとってはその返答は絶望的だった。
彼女の母親が帰って来る……
つまり、自分がどうにかされてしまう。
今のところ自分は何もされず、ただもてなされ(と言うにはあまりにも酷い待遇だが)ただ遊びに付き合わされているだけだが、きっと彼女の母親が帰って来たら一変するだろう。
そもそも、彼女の話を聞いている限り
彼女の母親はAに対して虐待紛いな事をしていると考えられる。
いや、もしかしたら、まさにそうなのかもしれない。
きっと自分を連れて来たのもその母親だと真名部は考える。
そうして自分に手を加えるのもその母親だと考える。
Aはその時、どうなるんだろう。
まず逆らいはしないだろう。
どんな命令でも彼女は聞こうとするだろう。
例え自分を殺める、なんて命令が出ても聞いてしまいそうで、ｿﾞｯとする。
でも、もしかしたら彼女は別の部屋に移されてしまうのかもしれない。
何にも知らないまま、自分はその母親に消されてしまうのかも。
ああ、でも身代金目的ならまだ生かしてくれるのだろうか。
体の自由は奪われてしまうかもしれないが、まだ生かしてくれるのだろうか。
まだ自分を連れ去った理由が不透明だから、ついそんな風にも考えてしまう。
とは言っても上記の事は全て真名部の想像であり
もしかしたら全く違う展開になるのかもしれない。
それでもやはり真名部は怖かった。
自分は誘拐されてしまっているのだから。
何をされても可笑しくはない。
それにAの話を聞いている限り、決して母親は彼女のように優しい人と言うわけではないようだ。
自分も彼女と同じように扱われるかもしれない。
……それに、彼女も彼女で……
「楽しみだね、まなべ！
ママが帰って来たら、まなべの事紹介しなくちゃ！」
「は、はは……」
内心怯える真名部に対して、Aは嬉しそうに微笑み
真名部も釣られて引き攣った笑みを浮かべた。
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Rai - ＊IJu＊さん» イベント参加ありがとうございます〜! 実は私もその作品「 箱庭少女の孤高哀歌」も読んでました正に好きで、これからの作品ともに頑張って下さい！ (2020年8月25日 18時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます〜！では参加させて頂きますね〜！ (2020年8月25日 18時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - ＊IJu＊さん» その他大丈夫です！後そのまま画面、ペースト、通常検索など出て来ると思います！ (2020年8月25日 17時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ですが、Raiさんがもしよろしければ、他にもイナGOの作品を書いているので、そちらの方でイベントに参加させて頂いても宜しいでしょうか？ (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» 初めまして、コメントありがとうございます！折角のお誘い感謝致しますが、この小説は内容があまり明るくない上に人を選ぶ作品だと思っておりますので、この作品での参加はお断りさせて頂きます…… (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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