△リボンが18こ▽ ページ21
次に真名部が目を覚ました頃には、丁度小腹が空く時間帯だった。
ソファで膝を抱えたまま眠っていた真名部は、ゆっくり瞼を開き、周りを確認する。
見慣れない汚い部屋。
見慣れない汚い景色。
嗅ぎ慣れない異臭。
「(……夢じゃ、なかったんですか)」
真名部は最初のように鼻を押さえながら、肩を落とし落胆する。
悪い夢なんじゃないかと淡い期待を抱き、目が覚めたらいつも通りの日常に戻っていると思っていたが故に、気の落ちようが凄まじかった。
また涙が出そうになって、ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞと鼻を啜っていると、不意にすぐ足元でﾑｸﾘと顔を上げる少女に気付いて、真名部は思わず驚いてしまった。
「あ……まなべ、起きたの？おはよう！」
「………おはよう、ございます」
Aは真名部と目が合うとﾆｺﾘと笑い、愛想良く挨拶を交わした。
真名部は拍子抜けしながらも言葉を返したが
心のどこかでその笑顔にﾎｯとしていた。
「…まなべ、目が赤いよ？どうしたの？病気？」
「い、いえ……別に。大した事ではないので」
「本当に…？怪我とかじゃない？包帯巻く？絆創膏貼る？」
「だ、大丈夫、大丈夫ですから…！自然に治るので！」
咄嗟にそう言ったが彼女は半信半疑なのか「本当に〜？」と首を傾げて真名部を見遣る。
何処かこのやり取りを楽しんでいるような気もした。
だがすぐに飽きたのだろうか。
彼女は「そう言えば！」と手を叩いて話題を切り替えると、人懐っこい笑顔を浮かべながら続けた。
「そろそろお腹空いてるんじゃない？
何か食べる？何か飲む？」
嬉々として尋ねるAに真名部は内心戸惑ってしまう。
部屋も部屋なので現状、とてもではないが物を口にする気になどならなかったが、彼女の笑顔を見ていると何となく断りづらい。
それに、明日は食べ物を食べれるかどうかもわからない。飲み物を飲めるかもわからない。
そう考えたら、食べれる内に、飲める内にと考えて、真名部はぎこちなく笑いながら返答を返した。
「で…では、お言葉に甘えて…少し頂きましょうか」
「はーい！ちょっと待っててね〜！」
彼女の厚意に甘えさせてもらい、真名部はおずおずとそう言うと彼女は嬉しそうに笑って台所へ向かう。
そうしてｶﾞｻｺﾞｿと戸棚を漁り始め
真名部は遠目からそれをぼんやり眺めていた。
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Rai - ＊IJu＊さん» イベント参加ありがとうございます〜! 実は私もその作品「 箱庭少女の孤高哀歌」も読んでました正に好きで、これからの作品ともに頑張って下さい！ (2020年8月25日 18時) (
レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます〜！では参加させて頂きますね〜！ (2020年8月25日 18時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - ＊IJu＊さん» その他大丈夫です！後そのまま画面、ペースト、通常検索など出て来ると思います！ (2020年8月25日 17時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» ですが、Raiさんがもしよろしければ、他にもイナGOの作品を書いているので、そちらの方でイベントに参加させて頂いても宜しいでしょうか？ (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - Raiさん» 初めまして、コメントありがとうございます！折角のお誘い感謝致しますが、この小説は内容があまり明るくない上に人を選ぶ作品だと思っておりますので、この作品での参加はお断りさせて頂きます…… (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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