【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの不注意 ページ5

「(今日は何のお話してもらおっかな〜)」



まだ朝の早い時間なのに、私は鏡の前で髪を梳かしながら、今日の予定を勝手に考える。

と言ってもお隣の病室に行く事はもう決定事項なんだけど。


昨日はサクマとゲンダの活躍のお話を聞いたから
今日は�爛�ドウ�瓩里�話してもらおうかな？
昨日のお話でもよく出て来た名前だし、何より2人ともあの人の話をすると心做しか饒舌になる気がするの。

あと、久しぶりにボードゲームでもしようかな。
オセロとかでもいいなぁ。私すぐ負けちゃうけど…


わ、私が弱いんじゃないんだよ？

2人が強過ぎるだけなんだから！



「よし、髪OK！」



一通り髪の毛を梳かして、いつものように大きな髪留めで長い長い髪を折り畳むように留める。

前髪はいつものように垂らしたまま。
だって顔見られるの、恥ずかしいもん。


準備も出来た所で2人のいる病室に向かう。

お隣だからすぐにその扉の前に着いて、私はいつものように声を掛けようと思ったけれど
ふと、2人の病室から話し声が聞こえて、私はそっと扉に耳を寄せた。



「(…？何のお話してるんだろう…？)」



でも扉の向こうで話しているから、よく声が聞き取れない。

ただ、声の感じから何やら言い争ってるような、そんな感じ。
少なくとも楽しそうな雰囲気ではなかった。



「(喧嘩、してるのかな…サクマとゲンダが？
でもどうして？昨日までは普通に仲良かったよね…？)」



あんまり遭遇した事ない雰囲気に私は扉の前で狼狽える。

どうしてそんな雰囲気になっているの…？
2人の嫌いな人がお見舞いに来ちゃったのかな…？


怖いって思ったけれど、同時に気になって気になって仕方なくて。


好奇心が勝った私は遂に少しだけ部屋の扉を開いて
隙間から中の様子を覗き見た。



中のベッドにはいつものようにサクマとゲンダがいた。
でもそれ以外にもう1人、窓際に立つ人の姿が。

病院服じゃないラフな服装に身を包み、変わった髪型をした、2人と同じぐらいの歳っぽい男の子……



「(知り合い……なのかな？)」



とにかくこの病院に入院している人でないのは確か。

2人が話していた�爛�ドウ�瓩任發覆い掘帖�


…何だか、嫌な雰囲気。


空気がﾋﾟﾘﾋﾟﾘしてて、2人はその知らない男の人と対峙してるみたい。
でもその知らない人は飄々とした態度で、更に2人をイラつかせてる。


ど、どうしよう…このまま本気の喧嘩とかになったら。

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